イチゴ新品種の高収量・高品質生産技術の開発

課題名 イチゴ新品種の高収量・高品質生産技術の開発
研究機関名 佐賀県農業試験研究センター
研究分担 野菜・花き部
研究期間 継R1~R3
年度 2021
摘要 目的:
本県で育成された「佐賀i9号」は、果皮色が濃赤で収量が多く、食味に優れることからポスト「さがほのか」として県内で普及拡大が進んでいる。しかしながら、品種特性に応じた栽培技術が未確立であり、また、果実品質の低下や病害虫の発生が現地で問題となっていることから、対策技術の確立が急務となっている。そこで、佐賀平坦および東松浦地区における新品種の特性に応じた高収量・高品質生産技術を確立する。
成果:
(1)夜冷短日処理の開始時期と施肥量について検討した結果、8/11処理開始した場合、日中の最高気温は30℃で開始時の体内窒素濃度に関わらず花芽分化し、8/20処理開始の場合は34℃で体内窒素濃度が高かった区は花芽分化までに日数を要したことから、夜冷短日処理は、処理開始後の日中の最高気温の影響を最も大きく受け、34℃以上の高温条件になると体内窒素濃度も花芽分化に影響を及ぼすと考えられた。
(2)育苗期の花芽分化前進化技術として、紙ポットや施肥量の違いについて検討した。その結果、紙ポットの培地内温度は、黒ポリポットに比べて8/16~9/21の間で日平均1.5℃低く推移し、紙ポットの花芽分化は黒ポリポットに比べて4日程度前進化した。また、紙ポット慣行区の年内収量が最も多く、第1次腋花房の開花も早かったことから、紙ポットを用いる場合、施肥は8月上旬までとし、施肥量は株当たり150㎎がよいと考えられた。
(3)育苗期間中の下温対策として、被覆フィルムの違いについて検討した結果、乳白色フィルムを被覆することにより、POフィルムに対してハウス内気温及び培地内温度は0.8~0.9℃低くなり、花芽分化が9日程度早まり、年内収量が増加した。
(4)本圃での基肥追肥量について検討を行った結果、年内の株当たり商品果収量は、株あたり窒素成分量で基肥0.84g、追肥0.84gで年内収量が高くなった。
(5)保温開始時期が生育及び収量に及ぼす影響について検討を行った結果、7日間の平均気温12℃を保温開始時期の目安とすることにより、1月までの商品果収量が最も多く、商品果率も高くなった。なお、12℃以下の9℃を保温開始時期の目安とすると、5℃を下回る低温に遭遇し、奇形果の発生が増加し、商品果率が低下する可能性がある。
カテゴリ 育苗 いちご 害虫 高品質生産技術 栽培技術 新品種 施肥 品種 良食味

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