課題名 | 稼げる水田農業確立のための水稲品種の育成 |
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研究機関名 |
佐賀県農業試験研究センター |
研究分担 |
作物部 |
研究期間 | 継R2~R6 |
年度 | 2021 |
摘要 | 目的: 近年、高温障害による玄米の品質低下やいもち病・トビイロウンカなどの病害虫による収量・ 品質の低下が問題となっている。そこで、安定多収・良質・良食味で高温・病害虫(いもち病・ トビイロウンカ等)耐性に優れ、省力・低コスト生産を可能とするうるち・もち品種を育成する。 また、登熟期の高温条件でも溶けやすい酒米品種を育成する。さらに、開発した有望系統・品種を利用者・実需者に評価を求め普及の展開方向と今後の品種開発の参考とする。 成果: (1)省力・低コスト生産を可能とするうるち・もち品種の育成 トビイロウンカ抵抗性遺伝子bph11保有が推定される中生系統の「佐賀67号」、晩生系統「佐賀71号」や既知の抵抗性遺伝子は保有していないが圃場抵抗性を有する「佐賀69号」「佐賀70号」を生産力検定本試験に供試した。そのうち供試2年目以上でいもち病にも強い「佐賀67号」「佐賀69号」については奨励品種決定調査現地調査に供試し、やや有望の評価を得た。 ヒノヒカリ熟期の中生系統「さ系1678」はいもち病にやや強く、「佐賀72号」の系統番号を付け、次年度の生産力検定本試験に供試することとした。 また、有望系統の直播適性については、「佐賀67号」は有望系統の中でも、苗立率が低く、浮き苗が多かった。供試系統中では、「しふくのみのり」は浮き苗が少なく、倒伏もなく直播適性が最も高かった。 (2)醸造適性に優れた酒米品種の育成 生産力検定予備試験に供試した10系統のうち、6系統を有望で継続とし、中でも晩生の「さ系S1692」は多収で搗精時に割れにくく、溶けやすかった。 (3)実需者による有望系統の評価とニーズ把握 県内実需者3社と県外実需者1社で、「佐賀67号」、「佐賀69号」及び「佐賀70号」の評価を依頼した結果、いずれの実需者も、低価の業務用が必要とする中、多収で大粒の「佐賀69号」は、既存の「ヒノヒカり」と同等の評価を得た。「佐賀67号」は粘りが強くおいしいという業者もあった。 また、有望系統について、日本穀物検定協会九州支部で食味官能評価を行ったところ、令和3年産については、「佐賀67号」は「さがびより」並みの高い評価を得ることができ、「佐賀69号」と「佐賀70号」は、「ヒノヒカり」より高い評価を得ることができた。 |
カテゴリ | いもち病 害虫 高温対策 酒造好適米 水田 水稲 抵抗性 抵抗性遺伝子 低コスト 品種 品種開発 良食味 |