課題名 |
ブナ・イヌブナ等,共存する近縁種の個体群構造の解明(41) |
課題番号 |
1993004137 |
研究機関名 |
森林総合研究所(森林総研)
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研究分担 |
森林環境生産技術・種生態研植生研生産研
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研究期間 |
完H01~H04 |
年度 |
1993 |
摘要 |
実生の定着過程でのブナとイヌブナの生活史特性の違いを明らかにし、定常個体群構造をマトリクスモデルにより予測した。小川保護林で、種子トラップと実生方形区の組を1.2haに263個、規則的に設置し、種子生産と実生の生残を調べた。621個の4m2方形区を6haに10m置きに設置し、幼木のセンサスを行った。DBH5cm以上の毎木調査を6ha全域で2年ごとに行った。種子の豊作はブナで2回、イヌブナで1回見られた。89年のブナの豊作年には虫害が多く、健全種子はほとんどなかった。イヌブナは健全種子の割合が高いが、実生の定着率は明らかにブナより低かった。7段階のステージクラスを定義し、各ステージ間の毎年の推移確率を実際のデータから求めた。イヌブナは個体当りの健全種子数は多いが、健全種子から実生となる確率や実生の翌年への生残確率が明らかにブナより低かった。定常状態に達した個体群構造の予測では、イヌブナは現実の個体群構造と予測がほぼ一致したが、ブナは大きく異なるステージがあった。個体群の増殖率はブナが1.01と増加が予想され、イヌブナでは0.991で減少が明らかになった。4年間ではどうしても得ることのできないデータがある。定期センサスの継続以外には代替手段はない。
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カテゴリ |
植物相
繁殖性改善
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