摘要 |
ウメについては品質が優れ加工適性を備えるとともに、結実性が良好な新品種を、アンズについては裂果しにくく耐病性を持つとともに、酸味が少なく品質良好な生食向け新品種を、スモモについては、外観、品質、日持ち性が優れた新品種の育成を目標に昭和45年から交雑育種を進めている。6年8月には、スモモ農林1号‘ハニーローザ’として命名登録された。現在の調査対象実生数はウメ418個体、アンズ370個体、スモモ430個体であり、そのうちウメ5系統をウメ第1回系統適応性検定試験に、スモモ2系統をスモモ第1回系統適応性検定試験に供試している。これらの実生については、樹性、生態、果実品質などについて調査を進めている。6年度はウメ9組合せ、スモモ49組合せについて交雑を行い165個体の実生を獲得し苗圃で育苗中である。5年度にスモモの細菌病(Xanthomonas campestris pv.pruni)抵抗性品種として‘オザークプレミア’、‘フロンティア’を選抜した。6年度は追試によりその確認を行うとともに、抵抗性品種の検索を進め、ネパールから導入した2系統(86077、85277)が抵抗性であることを確認した。また育種実生についても抵抗性の調査を進め、抵抗性品種である‘オザークプレミア’を片親にした組合せでは抵抗性が強い個体の出現率が高いことを確認した。
|