近赤外分光法による高次情報の解明(36)

課題名 近赤外分光法による高次情報の解明(36)
課題番号 1997003905
研究機関名 食品総合研究所(食総研)
研究分担 分析評価・非破壊研
研究期間 完H06~H08
年度 1997
摘要 本課題では、種子の活力に関連した品質の迅速評価法の開発を目的とした。豆類種子は、貯蔵中に老化し、発芽率や加工適性などの品質が低下するが、老化種子では胚や子葉中の成分の変化や膜構造の物理的な変化が生じていることが知られている。これまで、インゲン及び大豆(エダマメ)種子について、種子1粒の近赤外透過スペクトル(800~1100nm)を測定し、スペクトルの主成分分析によって、老化種子と正常種子との識別が可能であることを明らかにした。そこで8年度は、老化大豆種子の識別に寄与している種子中の成分の特定を試みた。識別に有効であった第3主成分のLoading Weightは脂質のスペクトルパターンと類似しており、また、老化に伴い種子中の総脂質含量は変化せず、リン脂質含量が1/2に減少していたことから、種子中のリン脂質の変化が老化種子の識別に寄与していると推測された。大豆種子と同じ濃度比になるよう調製した大豆油及びリン脂質(フォスファチジルコリン)の混合溶液のスペクトルを解析した結果、近赤外領域において、リン脂質に特有の吸収バンドが検出され、またリン脂質の濃度の低下によりスペクトルパターンが変化することがわかった。以上のことから、近赤外分光法による老化大豆種子の識別には、種子中のリン脂質の変化が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
カテゴリ えだまめ 加工適性 大豆 評価法

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