課題名 |
湛水土壌系の水質浄化機能を活用した集落排水処理技術の開発(19) |
課題番号 |
1997001928 |
研究機関名 |
農業工学研究所(農工研)
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研究分担 |
農村・集落排水研
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研究期間 |
完H06~H09 |
年度 |
1997 |
摘要 |
本研究は、集落排水を対象として、水中の生態系を通じた水質浄化と土壌中の水質浄化を結合した浄化システムの開発を目的とする。具体的には、水田土壌に汚水を浸透させることによって、土壌にNH4-Nを吸着させ、これをイグサに吸収利用させるという方法で汚水処理を行った。まず、カラムによる浸透水質実験を行い、浸透水質の予測式を考案した。次に、この予測式とイグサの窒素吸収能から、流出水のNH4-N濃度がほぼ0になるように、流入負荷量を決定した。NH4-N濃度の経時観測の結果、かんがい全期間(170日)を通じて、流出濃度に大きな変動はなく、1■/lを越えることはなかった。濃度の減少率は98%であった。窒素収支については、流入負荷量が420■/haに対し、流出負荷量は7■/haとなり、差し引き413■/haの98%がイグサに吸収され、残りの14■/haが土壌に蓄積したと考えられた。このことから、予測式を用いて、各作物の吸収能に合わせた流入負荷を与えれば、作付けの全期間を通じて、流出負荷をほぼ0に近く制御可能であることがわかった。これらの成果は、学会誌等を通じて基礎的知見として公表され、この種の対策実施の際の参考となることが期待される。以上のことから、所期の目標を達成したため、8年度をもって研究を完了することとした。
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カテゴリ |
いぐさ
管理技術
水田
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