課題名 | 河川の環境変化が魚類の繁殖生理に及ぼす影響の解明(91) |
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課題番号 | 1997005499 |
研究機関名 |
中央水産研究所(中央水研) |
研究分担 |
内水面利用・環境研 |
研究期間 | 完H03~H08 |
年度 | 1997 |
摘要 | 河川改修等による河川構造の人為的改変がアユの繁殖に及ぼす影響を明らかにする目的で、産卵場を構成する物理的環境要因の産卵親魚に対する生理的役割を調べ以下の結果を得た。■流れの変化によって形成される浮き石河床の存在がアユの産卵にとっての必要条件である。■雄は環境刺激によりステロイド(11-KT、DHP)の分泌量を増加させ、排卵誘起フェロモンを放出する。■雌はこれを感受すると最終成熟を進行させ排卵に至り、同時に雄の最終成熟を促すフェロモンを放出する。■雌雄とも環境刺激により異性からのフェロモンに対する感受性を獲得する。これらにより、アユにとって産卵環境は産卵に必要な異性間コミュニケーションのための作用因子であることが明らかとなった。このことから、産卵場の消失は親魚の生理機能を阻害することにより産卵障害を引き起こすと推察される。 |
カテゴリ | コスト 繁殖性改善 フェロモン |