課題名 |
暖温帯の野崎島に生息するニホンジカの行動生態学的研究(783) |
課題番号 |
1999005494 |
研究機関名 |
森林総合研究所(森林総研)
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研究分担 |
九州・鳥獣研(特別研究員)
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研究期間 |
継H10~H12 |
年度 |
1999 |
摘要 |
調査地である長崎県五島列島野崎島では、奈良公園や金華山にみられるテリトリーやハーレムよりもルーズなdominance areaが形成されることがこれまでの研究から明らかにされてきた。10年度実施した交尾期の行動観察の結果、優位オスは活動時間の大部分を採食に費やし、異性間行動やオス間のインターラクションにあまり時間を費やさないことが明らかになった。この結果は、アカシカの優位オスが採食時間を著しく減らして繁殖行動(異性間行動やオス間闘争)にエネルギーを投資するという報告(Clutton-Brock et al. 1982)とは対照的なものであった。繁殖行動への投資が少ないにもかかわらず、交尾の大部分を優位オスが独占することから、dominance areaの形成はメスの発情が同調しない野崎島における適応的な行動であると考えられる。今後遺伝的な解析を含め、研究を進めていく。
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カテゴリ |
亜熱帯
害虫
管理技術
シカ
繁殖性改善
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