摘要 |
本研究では核移植に供する遺伝子導入細胞を短期間で分離するための薬剤耐性マーカー遺伝子を選択する目的で、ヤギ胎子由来繊維芽細胞の各種選択薬剤(ネオマイシン、ハイグロマイシン、ゼオシン、ピューロマイシン、ブレオマイシンの5種類)に対する耐性を評価する事を目的とした。今回の試験で設定した濃度域において、ヤギ胎子繊維芽細胞はゼオシン、ブレオマイシンに対して感受性が低く選択薬剤として不適であった。薬剤耐性マーカーとして汎用されているネオマイシンでは、1.0mg/ml添加した場合は細胞は死滅するが、それまでに7日間要することが判明した。これに対してハイグロマイシンでは、0.5、 1.0mg/mlの濃度域で3日間に細胞が死滅し、さらにピューロマイシンでは、0.5、 1.0mg/mlの濃度域で3日間に細胞が死滅した。以上の結果から、ヤギ胎子繊維芽はピューロマイシンに対して感受性が高く、比較的低濃度で短期間に選択培養が終了できることが判明し、ヤギ胎子繊維芽細胞に外来遺伝子を導入する場合、選択マーカーとしてピューロマイシン耐性遺伝子を用いるのが適切であると考えられた。今後、本研究は解放融合研究課題において継続する。
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