日本産ニレ属の生活史特性の解明(34)

課題名 日本産ニレ属の生活史特性の解明(34)
課題番号 33
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林環境・群落研
森林環境・種生態研
研究期間 完9~11
年度 2000
摘要 本研究は、水辺林の主要構成樹種であるニレ属の日本産3種について、光条件(明期/暗期:8h/16hと0h/24h)と温度条件(30℃/20℃と23℃一定)を変えた4条件下で発芽試験を行い、発芽・休眠特性を明らかにした。また、研究期間中の1997年には、奥日光地域でハルニレが豊作となり、野外での実生発生データを集めることができた。明・変温条件下での採種直後の発芽率は、ハルニレが最も高く(99.0%)、オヒョウ(65.2%)、アキニレ(23.8%)の順であった。ハルニレは暗・恒温条件下でも19.0%が発芽し、種子集団の一部は休眠性を持たない。一方、オヒョウの種子集団は、明・変温条件下でも34.8%が休眠し、暗条件下ではほとんど発芽しない(1.0%)。このことから、オヒョウは、ハルニレよりも翌春発芽を予定していることが強く示唆された。採種直後のアキニレは、ハルニレ、オヒョウのように光条件による発芽率に違いが見られず、当年発芽も少ないと考えられた。また、3種とも種子散布直後に、発芽に不適な環境(樹冠下および落葉層の下)に置かれることよって、二次休眠が誘導されることが示唆された。奥日光でのハルニレ実生の発生は、当年と翌春に分かれ、どの時期に発生するかは、散布された時期の林床の光条件と相関が高く、発芽試験の結果と一致した。
カテゴリ 繁殖性改善 光条件

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる