課題名 | 水分環境の変化が土壌コロイドの機能に及ぼす影響の解明(21) |
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課題番号 | 16 |
研究機関名 |
農業環境技術研究所 |
研究分担 |
環境資源・土壌化学研 環境資源・(土壌上席) |
研究期間 | 完6~10~(11) |
年度 | 2000 |
摘要 | 土壌乾燥の効果を重金属の形態変化の点から室内および圃場レベルで解析した。室内での風乾に伴い水溶態Mn、 Co、 Cu、 Cd、 Tlで顕著な増加が認められた。これらのうち、Mn、 Co、 Cuの形態変化を選択溶解法によって分析した。交換態Mn、 Coは風乾で顕著に増加したがCuは有意には変化しなかった。Mn酸化物吸蔵態のMn、Coは減少したが、有機物結合態、鉄酸化物吸蔵態、残さ画分では有意には変化しなかった。従って、風乾による交換態Mn、 Coの増加はMn酸化物の溶解によると考えられる。圃場での解析は落水後不耕起の水田を対象とした。稲刈り後の水溶態態Mnは土壌最表層を含めて下層まで低い値であったが、晴天が続き土壌が乾燥すると最表層では顕著に増加した。水溶態Co、 交換態Mn、 Coも同様の傾向を示し、環境中でも土壌最表層は乾燥の影響を強く受けることが示された。次に上記のMn酸化物溶解のメカニズムを検討した。土壌乾燥に伴い、水溶性炭素は交換態Mnと同様に増加し、水溶性炭素を疎水性、陽イオン交換、陰イオン交換カラムで連続処理すると、全カラムの通過画分でMn酸化物溶解活性が認められた。この画分では還元糖が検出され、Mn酸化物と反応後は還元糖が減少したことから、Mn酸化物溶解に中性還元糖による還元反応が関与すると推定した。 |
カテゴリ | 乾燥 水田 |