課題名 |
露地野菜畑に添加した大腸菌の動態(89) |
課題番号 |
85 |
研究機関名 |
野菜・茶業試験場
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研究分担 |
環境・土壌肥料研
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研究期間 |
完10~11 |
年度 |
2000 |
摘要 |
家畜ふん等の有機質資源の農地への循環利用は環境保全型農業の基幹技術のひとつであるが、家畜ふんからは病原性大腸菌O157等の人間に対する病原菌が検出される場合があり、生食用野菜の生産段階における安全性確保の重要性が指摘されている。大腸菌は通常の堆肥化過程で殆どが死滅するとされるが、土壌環境における大腸菌の動態に関する知見は極めて乏しい。そこで、生食用野菜の栽培過程において土壌に大腸菌O157を添加した場合の土壌中での菌密度変化ならびに作物体、地下浸透水への移行の可能性を検討した。黒ボク土層深1mのライシメータにおいて、秋冬作キャベツと春作レタスの定植時に牛ふんバーク堆肥とともに作土層に10^6CFU/gの密度で添加した非病原性大腸菌O157の薬剤耐性変異株の菌密度は、添加後の時間経過とともに10^2CFU/g以下に低下するが、各作物の収穫時においても作土層では選択培地で検出可能な菌密度であることが示された。ただし、添加した大腸菌は、収穫時の作物体からは検出されず、収穫跡地土壌からもやがては検出されなくなり、その間に下層土や地下浸透水への菌の顕著な移行はないと推定された。今後、選択培地の検出限界以下の低密度における土壌中大腸菌の動態に関する知見を集積する必要がある。
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カテゴリ |
肥料
環境制御
キャベツ
栽培技術
土壌環境
春作
肥培管理
薬剤耐性
レタス
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