課題名 | サクラマスの成長及び遊泳能力に対する流水刺激の影響 |
---|---|
課題番号 | 86 |
研究機関名 |
養殖研究所 |
研究分担 |
日光・育種研 病理・免疫研 遺伝育種・育種研 北里大学 日本大学 |
研究期間 | 単11 |
年度 | 2000 |
摘要 | サクラマスの養殖生産の向上や効率化、放流効果の向上のための育成技術の改善を目的として、飼育環境中への流水刺激付与が成長及び遊泳能力に与える影響を調べた。実験開始時にほぼ満1歳および2歳となるサクラマスを、平均流速2、13および23cmの円形タンクに収容し、1~2か月おきに、それぞれの個体の成長および遊泳能力等の変化を1年間にわたって測定した。遊泳能力は秒速1mの急流中での遊泳持続時間を指標として求めた。飼育試験開始1年後、体サイズおよび肥満度はどちらも1+、2+魚ともに中間流速あるいは最大流速群において高く、血中成長ホルモン濃度も流水刺激に晒された魚で高かった。獲得免疫系の一指標である免疫グロブリンの血中濃度には3つの流速群間に差は認められなかったが、自然免疫系の一指標となるポテンシャルキリング活性は流水刺激強度に比例して上昇した。また、流水刺激はスモルト変態の開始時期を遅らせる効果があることが示された。さらに、早熟雄の出現率は流水刺激により低下した。遊泳能力に対する流水の刺激効果は、1+魚で顕著であり、馴致流速に比例して耐泳時間が増大した。以上のことから、適度な強度の流水刺激をサクラマスの育成環境に付与することにより、特に若齢魚において、個体の成長や免疫機能、遊泳能力を向上させ得ることが示唆された。 |
カテゴリ | 環境制御 飼育技術 |