課題名 |
感染特異的(PR)タンパク質の分離および機能解析(92) |
課題番号 |
81 |
研究機関名 |
四国農業試験場
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研究分担 |
作物開発・病虫害研
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研究期間 |
完7~9~(11) |
年度 |
2000 |
摘要 |
病原体の感染によって誘導される感染特異的蛋白質(PR蛋白質)の一部はキチナーゼやグルカナーゼ等であることが明らかになっている。これらの物質は植物の防御機能に関わっていると考えられており、PR蛋白質を発現させた形質転換植物は病原菌に対して抵抗性を示すことが知られている。しかし、多くのPR蛋白質の機能は不明であり、未知のPR蛋白質の存在も予想される。そこで、植物の抵抗性発現機構の解明を目的として、ウイルス感染および抵抗性誘導薬剤処理によって新規PR蛋白質を検出するとともにPR蛋白質の機能および抵抗性誘導との関係の解明を行った。6種ウイルスを供試し、感染によるPR蛋白質の出現を調べたところ、3種ウイルスの感染により新規PR蛋白質の発現が認められた。本蛋白質はアミノ酸解析から葉緑体のアルドラーゼであることが判明したが、抵抗性反応との関係は明らかにはならなかった。一方、殺菌剤であるプロベナゾールは、抵抗性誘導薬剤であるサリチル酸と同様に抵抗性反応を誘導したが、PR蛋白質の発現は認められなかった。さらに、両薬剤の同時処理により抵抗性反応の相乗効果が認められたことから、両薬剤の抵抗性発現機構が異なることが示唆された。以上のことから、植物に賦活化されるウイルスに対する抵抗性はPR蛋白質が関与しない反応があること、作用の異なる複数の薬剤処理により抵抗性の誘導が増強されることが明らかになった。
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カテゴリ |
病害虫
機能性
総合防除技術
抵抗性
防除
薬剤
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