課題名 |
寒地畑作地帯におけるリゾクトニア病菌個体群の多様性発現機構の解明(278) |
課題番号 |
235 |
研究機関名 |
北海道農業試験場
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研究分担 |
生産環境・病害研
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研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
Rhizoctonia solani の個体群多様性の発現機構を明らかにするため、野外における完全世代の形成、担子胞子感染並びに体細胞和合性(VCG)反応による野外分離株完全世代の単胞子解析と圃場における個体群構造解析を行った。林地内では耕地土壌では見られないAG6の完全世代が多数形成されていることを初めて明らかにした。ジャガイモの葉腐症状はR. solaniAG3のジャガイモ系によるものであった。R. solani AG2-2 IV(テンサイ根腐病系統)の完全世代の単胞子解析の結果、圃場分離株には後代で単一のVCG(ホモ)と複数のVCG(ヘテロ)を生じるものとがあった。遺伝的にヘテロな親株は完全世代を繰り返すことによって、ホモ化したVCGを多数形成した。また、葉腐病から分離した菌株は根腐病から分離した菌株より、その後代VCG構造は単純であった。テンサイ畑では、遺伝的にヘテロな親株は完全世代を通じて圃場内の個体群構造が多様化した。一方、親株がホモな株の圃場内の個体群は単純であった。以上のことから、R. solaniは完全世代胞子の形成、飛散、感染および罹病残渣中での生存を通じて、圃場での個体群構造に影響を及ぼしていることが示唆された。VCGの簡易類別法と栽培法の違いによる個体群の多様性等が残された問題である。成果の一部は国際リゾクトニア菌会議等で公表した。
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カテゴリ |
害虫
寒地
てんさい
根腐病
ばれいしょ
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