雑草木の種子散布特性と人工林への侵入過程(688)

課題名 雑草木の種子散布特性と人工林への侵入過程(688)
課題番号 554
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 四国・造林研
四国・保護研
研究期間 完10~12
年度 2000
摘要 人工林において雑草木は,新植地では植栽木と競合関係にある。一方,林冠が閉鎖するとこれらの植物は姿を消し,除伐,間伐などにより,一部の植物は再び回復し,水土保全,生物多様性の発揮等重要な機能を持つ。本課題は,人工林の埋土種子組成,雑草木種子の散布特性,種子の発芽特性,伐採後の実生個体群の動態を明らかにし,人工林の植生管理,生態管理に資することを目的とした。調査の結果,人工林は天然林に比べ,多様な埋土種子集団を形成していた。地上部植生が乏しい若齢林でも,雑草木の種子密度は高かった。埋土種子の種組成を多様にしていたのは動物被食散布される種子であった。人工林施業地においても,ヒヨドリ,メジロをはじめ数種の鳥が雑草木種子を採餌しており,種子散布に貢献していると考えられた。皆伐跡地では多くの雑草木実生が生じ,激しい種間競争が見られた。林冠木伐採後は非常に短い期間で優占種が交代し,草本類やキイチゴ類は多数の種子を生産した。撹乱に適応した一部の種は,人工林においても生活環を完結することができると推測された。それには,埋土種子がある程度長い寿命を持つのが条件であると考えられた。皆伐,間伐等の撹乱が新しい植生の発生に貢献しているのは明らかである。今後は独立行政法人森林総合研究所において,間伐後の林床植生の回復過程を調査研究する。
カテゴリ 病害虫 いちご 管理技術 傾斜地 雑草 植生管理

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