課題名 |
九州地域における農林家による伐採跡地放置の実態の解明 |
課題番号 |
612 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
九州・経営研
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研究期間 |
単12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
放置林問題はわが国のこれまでの林業,森林政策の限界を示すもので,今後の林業,森林行政を方向付ける際に重要とされるその増加の背景と発生のメカニズムを明らかにすることを目的にした。放置林を森林施業上必要な施業が実施されていない人工林と定義し,九州地域林業地域を対象に木材価格の動向,造林放棄の現状に対する調査データの収集,関係者から伐採動向・伐採跡地の実態の聞き取り調査を行った。その結果,放置林経済化の背景には1)林業の担い手問題,2)林業採算性悪化,3)皆伐の増加と皆伐面積の大規模化,の3要素があり複合的な作用で再造林放棄に結びついているといえた。放置林問題を考えるには林業生産,国土保全の2つの視点が要となる。前者では人工林が木材生産で経済的効用を提供するととらえ,伐採されている森林が良好な立地条件にある可能性が高くその放置は循環利用を妨げ地域経済にダメージを与えてしまう。後者では国土保全機能面に着目するもので放置林を再度人工林にするか自然遷移に委ねるかの判断には科学的論証が要求されよう。成果は林野行政において造林放棄に対処するための林業・森林政策の検討に使用される。林業経営的側面から放置林を取り扱ったが伐採後どのような森林に誘導すべきかを検討するには生態,土壌,防災等多方面からの検討が必要で,伐採放棄対策には社会科学からだけでなく自然科学的側面からのアプローチが必要である。
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カテゴリ |
亜熱帯
管理技術
経営管理
大規模化
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