移入種ソウシチョウの食性の解明

課題名 移入種ソウシチョウの食性の解明
課題番号 112
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林生物・鳥獣生態研
研究期間 単12
年度 2000
摘要 外来種の増加は生物多様性の保全にとって最も深刻な脅威の一つであり、近年チメドリ科のソウシチョウ、ガビチョウ、カオグロガビチョウなどの外来鳥類が日本の森林に侵入して個体数や分布域を増大させており、在来生物への影響が懸念されている。ここではソウシチョウの在来生態系へ与える影響を明らかにする一歩として、その食性を調べた。ソウシチョウが高密で生息する筑波山頂付近の落葉広葉樹林で、霞網によってソウシチョウと在来鳥類を捕獲し、糞を採取してソーティングを行った。1997-2000年の3-10月に筑波山頂において、30メッシュのカスミ網による鳥類の捕獲調査を行い、19種から781の糞サンプルを得た。そのうちソウシチョウは496,競争種と予想されるウグイスが208であった。1999年のサンプルまでの植物種子についての解析の結果、ソウシチョウは6月から10月まで糞に種子が見いだされる割合が25-50%とかなり高く、植物果実を好んで採食することがわかった。一方ウグイスの糞から種子が見いだされる頻度0-17%とソウシチョウに比べ低かった。また繁殖期に見いだされた種子はソウシチョウがサクラ、ミズキ、クマヤナギなどだったのに対しウグイスは全てニワトコであり両種に違いが見られた。ソウシチョウとウグイスは餌としての果実への依存度が異なり、また選好性も違うため、両種の餌に関する競争は大きくないことが示唆された。
カテゴリ 管理技術 きく さくら 繁殖性改善

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