課題名 |
低温要求等生体反応の解明(169) |
課題番号 |
151 |
研究機関名 |
果樹試験場
|
研究分担 |
栽培・気象生態研
|
研究期間 |
完9~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
ナシ、モモの施設栽培における合理的な加温時期の設定と管理支援システムを確立するため、自発休眠および他発休眠期における温度に対する生体反応を解明し、自発休眠覚醒期、開花期を予測する機構的モデルを開発する。また新たな休眠打破法を開発するために、自発休眠覚醒に関する生理反応、特に過酸化水素との関連を明らかにすることを目的とする。実験の結果、モモの自発休眠は6℃で約1100時間、3℃と9℃では約1200時間、0℃と12℃では約1600時間の処理で覚醒した。15℃は効果がなかった。-6℃はナシ、モモ花芽の自発休眠覚醒に効果がなかった。-3℃の発育速度は6℃の1/2~1/3程度と推定された。この結果から、発育速度論の手法により、モモ花芽の自覚休眠覚醒期を予測する機構的モデルを開発した。モモ花芽について自発休眠覚醒後の発育速度を温度別に計測し、ステージの推移を発育速度(DVR)モデルとして定式化した。また、ナシ花芽において、H2O2は自発休眠覚醒の進行に伴って増加した。しかし、高温処理により自発休眠覚醒を抑制した場合はH2O2の増加はみられなかった。このような結果から、H2O2の増加は自発休眠覚醒と密接に関係していることが示唆された。結果の一部は学会発表した。残された課題として、自発休眠進行に及ぼす高温の阻害効果の程度や範囲、自発休眠から他発休眠への移行期の温度の影響の検討が必要である。
|
カテゴリ |
環境制御
施設栽培
もも
|