課題名 |
移植水稲の収穫分散のための生育制御技術の確立(43) |
課題番号 |
35 |
研究機関名 |
北陸農業試験場
|
研究分担 |
水田利用・栽培生理研
|
研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
コシヒカリ等の良食味品種に作付けが集中する状況下で、北陸地域の大規模稲作経営では成熟期の短期間集中による刈遅れや早刈りなど適期外収穫の増加と、それに伴う品質低下が問題となっている。これを回避するため、本研究では移植水稲の収穫分散技術として、栽植密度の変更による出穂・成熟期幅の拡大方策を検討した。「コシヒカリ」と「どんとこい」を供試した試験で、栽植密度と出穂期の間には2次式で示される高い相関関係が認められ、低密度ほど出穂が遅延し高密度ほど早くなったが、その程度は20個体/■以下の場合にとくに顕著であった。■あたり栽植個体数11.1以下の極端な疎植では減収程度が大きく、未熟粒が増える傾向が認められた。収量と玄米外観品質に適正と考えられる栽植密度は11.1~199.8個体/■であり、この密度範囲内での出穂期幅は年次変動があるものの4~7日程度、成熟期幅は5~10日程度であった。これは移植時期を2週間異にした場合の出穂格差7~10日・成熟期格差10~14日には及ばないものの、営農的な収穫期分散法として充分利用できる。これらの成果は学会等で公表し、大規模稲作での収穫期分散を行うための参考資料として活用される。残された問題点として、本成果の栽植株密度は現在市販の田植機(疎植仕様)で可能であるが、1本植の疎植の11.1個体/■では困難である。
|
カテゴリ |
経営管理
軽労化
栽培技術
水稲
低コスト
品種
良食味
|