課題名 |
水稲の登熟過程を制御する生理・遺伝的要因の解析(102) |
課題番号 |
89 |
研究機関名 |
北陸農業試験場
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研究分担 |
地域基盤・物質代謝研
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研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
登熟は、水稲の収量を決定する上で重要な要素であり、これを決定する生理的要因を遺伝子発現レベルで解析し、さらに、インディカとジャポニカの交配後代を用いて、登熟に関与する遺伝子座の解析を行った。その結果、新規インベルターゼ遺伝子OsCIN1を単離した。OsCIN1は開花当日から2日目までの頴果で強く発現しており、その後はほとんど発現していないことがわかった。そこで開花後1日目の頴果を用いてin situハイブリダイゼーションを行ったところ、OsCIN1は珠心表皮において特異的に発現していた。従って、OsCIN1は登熟の初期において親側組織から胚および胚乳への糖の供給に関与していると推測された。また、インド型で1穂穎花数を増やすQTLが第1染色体及び第6染色体上に見つかった。このうち第1染色体上のQTLは登熟歩合を低下させるが、第6染色体上のQTLは登熟を低下させなかった。その要因を検討した結果、第1染色体上のQTLは主に2次枝梗数を増加させるのに対し、第6染色体上のQTLは主に1次枝梗数を増加させた。さらに第6染色体上のQTLは物質生産量への関与も認められた。従って、第6染色体上のQTLでは登熟能力の高い1次枝梗着生穎花が増加するとともに、乾物生産量が増加するため登熟歩合が低下しないと考えられる。この研究はプロジェクトの第2期で引き続き行う。
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カテゴリ |
水稲
低コスト
良食味
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