| 課題名 | 流出油が沖合生態系に及ぼす中・長期的影響の解明(10) |
|---|---|
| 課題番号 | 5 |
| 研究機関名 |
日本海区水産研究所 |
| 研究分担 |
海洋環境・生物生産研 海洋環境・(部長) |
| 研究期間 | 完10~12 |
| 年度 | 2000 |
| 摘要 | 9年1月に沈没したロシア・タンカー”ナホトカ号”の船尾部には約1万KLの重油が残存し,現在もその一部が漏出しており,重油汚染による海洋生態系への影響が懸念される。食物連鎖の基盤となる動・植物プランクトンの現存量・種組成の変化及び重油成分の生物体内への蓄積程度を把握し,流出油が沖合域生態系に及ぼす中・長期的影響の評価手法を開発することを目的とした。9~12年6月の重油漏出海域における表層の油分は,16.4から0.3μg/lへと年々減少した。同海域の植物プランクトン総細胞数は1200~21000細胞/l,動物プランクトン総個体数は立法メートルあたり170~480個体で,隠岐北海域,若狭湾などより少なかったが,経年的には増加傾向が認められた。植物・小型動物プランクトン(3mm以下)の含有油分濃度は他海域より高い傾向は認められなかったが,大型動物プランクトンのヤムシ類・オキアミ類では高い傾向が認められ,多環芳香族炭化水素が比較的高濃度に検出された。同時にこれらを餌とするスルメイカにも高く検出され,高次生物へ油成分の移行が示唆された。特に,油粒を保有するヤムシ類の出現率が重油流出直後に約4倍に増加し,油汚染モニターに有効な指標分類群であることが判明した。今後も生物体内への蓄積を把握することは重要な課題であり,この成果は水産庁委託の海洋廃棄物生物影響調査事業に引き継がれる。 |
| カテゴリ | 評価法 |