天然ヒラメ集団の遺伝的多様性に種苗放流が及ぼす影響の解明(45)

課題名 天然ヒラメ集団の遺伝的多様性に種苗放流が及ぼす影響の解明(45)
課題番号 33
研究機関名 日本海区水産研究所
研究分担 水産業研究・沿岸資源研
研究期間 完9~12
年度 2000
摘要 閉鎖性の強い佐渡島真野湾をモデル海域に,天然ヒラメ,放流種苗および漁獲された放流魚の遺伝的多様性の分析を行い,天然ヒラメ集団の遺伝的多様性保全のための方策を検討した。放流種苗の遺伝的多様性は天然ヒラメに比べて劣るが,ミトコンドリアDNA,核DNAマイクロサテライト領域いずれの分析結果からも過去10年間で天然ヒラメ集団の遺伝的多様性の低下は認められなかった。漁獲された放流魚の遺伝的多様性は放流種苗のそれとほぼ同等で,一部の親魚に由来する種苗のみが生き残ることによる放流魚集団の遺伝的多様性の低下は軽微であると判断された。そのため,天然集団の遺伝的多様性の保全のためにはより遺伝的多様性の高い,即ちより多くの親に由来する人工種苗を放流することが重要である。ミトコンドリアDNAおよびマイクロサテライトDNAマーカー分析によりヒラメ人工種苗の親として貢献している魚の数を推定したところ,1回の採卵あたり全親魚の8~23%,1シーズン(6回採卵)合計で45%であった。FAOの基準である有効親魚数50をクリアするためには150個体以上の天然魚を用いて1シーズンに3回以上の採卵を行う必要があることが明らかになった。今後とも栽培対象種の遺伝的多様性の変動についての長期的なモニタリングが必要であり,予算的措置が望まれる。
カテゴリ 管理技術 DNAマーカー モニタリング

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