課題名 |
畑作物を加害するハダニ類の診断法に関する研究(165) |
課題番号 |
138 |
研究機関名 |
農業研究センター
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研究分担 |
病害虫防除・虫害研
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研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
Tetranychus属のハダニ類は豆類などの畑作物ならびに野菜、花卉、果樹などに共通の害虫であり、なかでもカンザワハダニは種々の薬剤に対する抵抗性の発達が知られ、重要な検疫対象害虫にあげられている。しかし、カンザワハダニの雌成虫は近縁な他種と形態的に識別できないため、Tetranychus属の複数種が発生する圃場では発生消長や動態の解析が難しく、輸出の障壁になる例もみられる。本研究ではカンザワハダニ、ナミハダニ、ナミハダニモドキおよびアシノワハダニの4種について、DNAマーカーによるTetranychus属雌成虫の同定法を確立した。これら4種のITS1、5.8SおよびITS2を含むリボゾームDNAのスペーサー領域約1,200bpの塩基配列を解析し、制限酵素Dra■およびAfa■の認識部位に種間差異があることを明らかにした。また、PCRによりスペーサー領域を増幅し、これら2種類の制限酵素を用いて処理した後、3.5%のアガロースゲルを用いた電気泳動法により,4種のハダニが識別できることを確認した。また、個体毎に効率的にDNAサンプルを調整する手法も同時に確立されたため、本手法は個体群動態の解析や植物検疫に広く活用できる。本研究では主要4種について検討したが、今後、他の種について同様の手法を応用することにより、さらに活用範囲が広がると考えられる。
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カテゴリ |
病害虫
害虫
管理技術
植物検疫
DNAマーカー
抵抗性
薬剤
輸出
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