課題名 | 水田における湿地性鳥類の多様性とその評価手法の確立(259) |
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課題番号 | 216 |
研究機関名 |
農業研究センター |
研究分担 |
病害虫防除・鳥害研 |
研究期間 | 完8~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 湿地性鳥類にとっての水田の役割を解明し、鳥類と農業の共存策の策定に資するとともに、鳥類の生息地としての水田の評価手法を確立することを目的とした。水田における鳥類多様性の特徴を他の環境と比較したところ、水田は総種数も固有種数もヨシ原や森林なみで、農村の他の4環境タイプより多かった。代表的な湿地性鳥類について水田への依存度や環境変化の影響を調査した。シギ・チドリ類では、水稲田やハス田における種構成が干潟と大きく異なり、淡水の湿地を好む種の渡り中継地として水田が重要であった。サギ類においては、圃場整備済み水田では未整備水田に比べ餌となる水生動物が少なく、水生動物を主に採るチュウサギも少なかったが、陸生動物を主食とするアマサギの数は違わなかった。冬季に実験的に湛水した水田を設け、乾田およびハス田と比較したところ、湛水田はジシギ類やタゲリといった湿地性鳥類に利用されていた。これらの調査等から、水田に依存する指標種を選び、全国的な分布変化を環境庁の自然環境保全基礎調査の資料から評価したところ、減少傾向が示唆された。ただし、用いた環境庁の資料は中間とりまとめであり、今後のデータ集計を待つ必要がある。また、指標鳥類について分布変化だけでなく、個体数が全国モニタリングされることが望ましい。農業の変化と指標種の生息数の間の因果関係についてもさらに解明する必要がある。 |
カテゴリ | 病害虫 あま 水田 モニタリング |