課題名 | ドミナントネガティブ変異体作出による遺伝子機能解析(301) |
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課題番号 | 249 |
研究機関名 |
農業研究センター |
研究分担 |
作物開発・育種工学研 (横浜市立大学) |
研究期間 | 完10~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | Ran遺伝子は、酵母や動物細胞では、核内外への選択的タンパク質輸送機構の主要因子とされている。イネから2個のRan遺伝子OsRan1、OsRan2遺伝子を単離した。単離したイネRan遺伝子の機能を解析するため、OsRan1遺伝子を用いて、1アミノ酸置換を起こす3種類のドミナントネガティブ変異遺伝子を作製し、イネおよびシロイヌナズナに導入した。その結果、各変異型遺伝子を持つ形質転換イネカルスは、野生型遺伝子を過剰発現している細胞に比べ植物体再分化率が低く、その低下程度は変異型遺伝子の種類によって異なった。野生型遺伝子は多コピー存在しても細胞は植物体を再分化したが、変異型遺伝子が多コピー存在するカルスからは再分化植物体は得られなかった。しかし、形質転換カルスの増殖率に差は見られなかった。カルスからの再分化を経ないで形質転換体を作出できるシロイヌナズナにこれらの変異遺伝子を導入した結果、1種類の変異型遺伝子ではイネと同様に形質転換植物体は得られなかったが、2種類の変異型遺伝子では植物体が得られた。そのうちの1種類では花成早化の表現型が観察された。今後、変異型OsRan1遺伝子を持つ形質転換体を用いて、タンパク質の輸送が正常かどうかを解析する。また、花成早化の原因を解析する。 |
カテゴリ | 育種 遺伝資源 輸送 |