課題名 |
サイレージ中のL乳酸産生比率の向上に関する研究(121) |
課題番号 |
100 |
研究機関名 |
草地試験場
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研究分担 |
生産利用・飼料調製評価研
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研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
乳酸には光学異性体が存在し、D-乳酸は代謝速度が遅いとされている。そこで、栄養学的に優れるL-乳酸の生成比率を向上させる目的で、サイレージにおける乳酸異性体の産生状況をギニアグラス、ソルガム、イタリアンライグラスで調べた。L-乳酸は発酵初期には優先的に生成されるが、いずれのサイレージも貯蔵期間が延びるにつれて比率が低下することが明らかになった。ソルガム材料草に存在していたL-乳酸だけを生成する乳酸菌は酸性に弱く、14日以上貯蔵したサイレージ中には検出されなかった。DL-乳酸を生成する乳酸菌は菌種によってL-乳酸を生成する比率は異なり、Pediococcus pentosaceusとP. acidilacticiはLactobacillus plantarumより高い比率を示したが、3菌株とも培養時間が長くなるにしたがってL-乳酸の産生比率は低下した。P. pentosaceusとP.acidilacticiでは、pH(試験範囲4~8)が高いほうがL-乳酸の産生比率は向上した。グルコースとDL-乳酸を生成するL. plantarumの添加はサイレージのL-乳酸の比率を低下させたが、L-乳酸を生成する耐酸性の強いL. caseiまたはL. rhamnosusの添加はサイレージのL-乳酸の増加に高い効果が認められた。
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
管理技術
飼料作物
ソルガム
評価法
保存・貯蔵
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