課題名 |
牛における脳定位手術法の開発(219) |
課題番号 |
161 |
研究機関名 |
家畜衛生試験場
|
研究分担 |
病態・病態生理研
|
研究期間 |
完9~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
本課題の研究目的は、牛の脳機能解析のための基礎技術として安全かつ長時間利用可能な牛の脳定位手術法を開発することである。まず、成牛(体重600kg前後)の脳外科手術を長時間、安全に実施するための牛脳手術台を開発し、麻酔の導入・維持から回復処置までの一連の作業を安全に実施する方法を確立した(9~11年度)。さらに長時間麻酔に伴う成牛の脳循環器系の変化について検討したところ、従来方法である横臥位保定では、麻酔開始から3時間目で第一胃鼓脹に伴う大量の第一胃液の吐出が生じた。一方、牛脳手術台を用いた場合は第一胃鼓脹や第一胃液の吐出は起こらず推移し、横臥位に比べ脳圧・血圧の上昇を低く抑えることが出来た。また、麻酔後の歩行障害なども認められなかった(10~11年度)。成牛9頭について脳手術後に硬膜外圧の持続的測定を実施したところ、重篤な合併症は起こらず脳圧のモニターとして少なくとも数週間は使用に耐え得ることが確認された。成牛の硬膜外圧は10mmHg以下で正常、20mmHg以上で食欲不振、35mmHg以上で抑鬱状態が認められた(9~11年度)。全身麻酔に伴い生じるアシドーシスや循環器障害に対する補正として、ビタミンB1加リンゲル液とトロメタモール溶液の混合投与を実施したところ、循環器系に対する負荷の改善が認められた(12年度)。以上、本研究の目的である成牛における脳手術法の開発はほぼ達成できた。
|
カテゴリ |
病害虫
診断技術
治療技術
防除
|