摘要 |
イチゴ栽培において総労働時間の約5割を費やしている収穫調製作業の省力化を図るため、果房形態面からのアプローチにより、省力果房型形態を持つ品種・系統の検索、鍵となる形質の特定、果実品質等の他形質との関連性の解明、選抜手法の開発及び遺伝性の解明を進め、省力型果房形態を有する実用系統の育成を行った。イチゴ果実は着果節の果梗が太くて長いほど大果であり、太さと長さが揃っているほど果実の揃いが優れる傾向にあり、それらの形質は高い遺伝力を示した。揃いのよい大果品種の育成には、着果節果梗が太くて長い「Pajaro」タイプの直枝型果房形態が選抜指標となった。省力果房に関わる果房形態構成要素の選抜指標を用いて、促成栽培に適した省力型果房形態を有する系統‘久留米56号・同57号’を育成した。両系統については系統適応性検定試験を実施する。今後は‘Pajaro’型の省力型果房形態を有する実用品種の育成と‘Pajaro’型の果房形態を選抜できるDNAマーカー等の開発が必要である。これらの課題については、13年度より開始の連携開発「超省力園芸」への参画課題「省力果房型品種の形態特性の解明と系統の育成」で実施する。
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