課題名 | バイオコントロール用細菌による種苗生残率向上機構の解明(72) |
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課題番号 | 60 |
研究機関名 |
養殖研究所 |
研究分担 |
飼育環境技術・餌生研 |
研究期間 | 完10~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 水産種苗の生産において初期減耗を抑制するとされるPM4細菌の機能解明を目的として、まず、日本栽培漁業協会玉野事業場においてガザミ種苗生産水槽内のPM4細菌の消長をユビキノン分子組成の変動から推定した。水槽内のCFUに占めるPM4細菌の割合は20%以下であり、この値は添加量である50%相当量と比較して低値で推移していることが明らかになった。また、いずれの実施年度においても対照区の種苗生残は極めて良好であったため、PM4細菌による初期減耗の抑制効果を確認できなかった。そこで、ビブリオ病原菌によるアルテミアの致死に対するPM4細菌の抑制効果の有無ならびに経口投与によるマダイ稚魚の健苗性への影響を小規模実験水槽でそれぞれ調べた。アルテミア試験では、試験区、対照区ともに同様の致死数、致死時間を示したことからビブリオ病原菌の作用をPM4細菌によって直接緩和させることは難しいことが判明した。マダイ稚魚への経口投与では、無換水状態にある飼育水への有機物負荷よる致死時間を24ないし48時間延長させる効果が認められた。この有機物汚濁に対する耐性強化は細菌添加量や添加方法によって異なることが明らかになったものの、有効な細菌機能や成分を特定するには至らなかった。また、水槽内の添加細菌数は原生動物の増加にともない減少したため、細菌効果を維持するためには食物連鎖との関連性を明らかにする必要が示唆された。 |
カテゴリ | 環境制御 飼育技術 |