水田および周辺の農業水路が生物多様性に与える影響(72)

課題名 水田および周辺の農業水路が生物多様性に与える影響(72)
課題番号 58
研究機関名 中央水産研究所
研究分担 内水面利用・生態研
内水面利用・環境研
研究期間 完8~12
年度 2000
摘要 水田及び農業水路が魚類の多様性に与える影響を明らかにするために野外調査を行った。水田での見回り調査では合計11種、989尾の魚が確認された。水田はため池から水が供給される棚田、用排兼用水路から水が供給される平地の未整備田、用排分離水路から水が供給される平地の整備田に分けられた。魚類の多様性及び個体数は未整備田と棚田で高く、整備田で低かった。棚田ではトウヨシノボリ、モツゴが多く、未整備田ではウグイ、フナ、タモロコが多かったが、整備田で確認されたのはドジョウだけだった。農業水路では、合計で19種、2323尾の魚を確認した。このうちドジョウがもっとも多く、ついでウグイ、タモロコが続いた。多変量解析を行ったところ、魚の種数及び多様度については、水路と水田とのつながりがもっとも重要であり、魚が水田へ容易に侵入できる水路ほど多様な魚類群集が形成されていた。魚の総個体数及びバイオマスは水路の底部や岸部がコンクリート化されていない場合にもっとも高かったが、水田とのつながりや川幅も重要であった。水田周辺の魚類の多様性を守り増加させるためには、用排兼用水路の保全、水路と水田とのつながりの確保、水路の底部や側部の非コンクリート化等が重要であることが解明された。これらの知見は、魚のすみよい水田・水路つくりに携わる行政機関等に受け渡され、活用される。
カテゴリ 管理技術 くり 水田

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