課題名 |
卵巣原基の分化・退縮過程の解明(268) |
課題番号 |
226 |
研究機関名 |
東北農業試験場
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研究分担 |
畜産・家畜虫害研
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研究期間 |
完10~12 |
年度 |
2000 |
摘要 |
一般に昆虫の卵形成は数~数百本の卵巣小管から成る左右一対の卵巣で行われ、産卵数は卵巣小管数に比例する。ダイコクコガネ亜科の卵巣小管は昆虫の中で最も少なく、片側に1本しかない。害虫の産卵数抑制等、昆虫の産卵数制御に関わる基礎的情報を得るため、ダイコクコガネ亜科の卵巣の発生過程を組織学的に調べた。卵巣原基は2齢以降は腹部第6~7節に白い組織塊として認められる。左側卵巣原基では将来卵巣小管へと分化する1つの大きな原基(Of)と、途中で退縮する複数の小さな原基(Os)が分化する。これらの原基は3齢後期~前蛹期に大小合わせて6個となるが、蛹期にOfだけが発生を続け、Osは退縮する。Ofでは、生殖細胞を含む領域と卵巣小管柄は周囲を同一の小管鞘に包まれているが、Osでは両者が別々の小管鞘に包まれ、細胞間に直接的な相互作用がないと思われた。一方、右側卵巣原基の形態は同じ3齢後期でも個体によって異なり、少数の細胞から成る細胞塊としてのみ認められるものから、4~7個の卵巣小管柄の構造が認められるものまで様々だった。この結果は、それまでの「右側卵巣原基は6個で、左側卵巣のOsに似た細胞からなり、卵巣小管柄はない」という報告とは異なる。その原因が種間差なのかどうかは分からないが、さらに細かいステージ毎の観察が必要である。以上の結果は昆虫学会等で発表の予定である。
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カテゴリ |
害虫
管理技術
くこ
中山間地域
肉牛
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