課題名 | 生体膜機能が作物の温度感受性に果たす役割の解明(274) |
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課題番号 | 232 |
研究機関名 |
東北農業試験場 |
研究分担 |
地域基盤・低温スト研 |
研究期間 | 完8~12 |
年度 | 2000 |
摘要 | 細胞の様々な生理機能を担う生体膜が低温によってどのような影響を受けるのか明らかにするために、イネを材料として検討を行った。まず生体膜への作用が考えられる植物ホルモン施用により穂ばらみ期不稔が軽減されるか検討したが、明確な効果は得られなかった。次に幼苗期に見られるしおれなどの低温障害のメカニズムを明らかにするため、生体膜を介した根の吸水機能を解析した。その結果、低温処理により根の吸水量が低下し、さらに処理後すぐに回復しない場合に激しくしおれることが明らかとなった。また一日の中でも夜明けの時間帯が特に低温に弱い性質が見いだされ、その原因も同じく吸水量回復の遅れであり、膜タンパクとして吸水機能に寄与する水チャンネル遺伝子発現量の変化も同様の傾向を示した。以上の成果は2000年度日本植物生理学会およびアメリカ植物生理学会にて報告した。今後は、温度環境に依存した生体膜水透過性の変化が、植物の吸水・蒸散プロセスにどのような影響を及ぼすか解明する必要がある。 |
カテゴリ | 植物生理 |