急峻山岳林における立地環境特性の解析と複層林への誘導のための森林生態系変動予測技術の高度化

課題名 急峻山岳林における立地環境特性の解析と複層林への誘導のための森林生態系変動予測技術の高度化
課題番号 2001001084
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 四国支所 チーム長
森林総合研究所 四国支所 森林生態系変動研究グループ
森林総合研究所 四国支所 流域森林保全研究グループ
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1.当年度の研究目的  急峻山岳山岳地帯に位置し人工林率の高い我が国の先進林業地域において、持続的かつ良質な木材生産活動を維持しつつ森林の持つ環境保全的機能との調和をはかる施業技術の確立に向けて、1)山岳林立地環境の特性解析として土地利用形態の変化が土壌の環境保全機能に及ぼす影響の解明、および2)環境と調和した施業技術の解明として既存および新設の試験林分調査を通じて複層林発達に関わる林木と林分の環境応答性の解析、を主たる目的とした。 2.当年度の試験研究方法  1)土地利用形態の変化が土壌の環境保全的機能に及ぼす影響の解明:高知県土佐町の棚田跡に成立している林齢の異なる人工林で土壌の孔隙率と保水容量などの土壌物理性調査を行った。また、林分の成長に及ぼす影響の解明として林分の各部現存量の測定を行った。  2)複層林発達に関わる林木と林分の環境応答性の解析:愛媛県久万町の既存の複層林調査試験林における毎木の成長調査の継続と林床植生の組成・量の調査を行ったほか、本山町の民有林複層林に新たに成長解析のための試験地を設定し調査した。 3.当年度の研究成果  1)土壌中の大孔隙率(pF0.6~1.8相当)および中孔隙率(pF1.8~2.7相当)は造林後20年未満のグループに比べて20年以上のグループで増加し、植栽後の年数経過が大孔隙を増加させてこれに伴って土壌の保水容量も増大し近隣の一般的な森林土壌の値に近づくことが明らかになった。また、ここに植栽された林分の現存量は加湿害等による不成績林を除けば通常の林分と比べて著しい不成績を示すものではなかった。  2)上木スギ101年生、下木ヒノキ69年生の長期二段林では下木の樹高が同林齢のの普通林分の地位2級相当である一方直径は同地位で35年生程度、材積では同齢一斉林分の半分に満たないことがわかった。上木の間伐方法については、初期に強度の間伐した後放置するより弱度の間伐を繰り返した方が有効であることを示した。複層林施業における表土流失抑止効果の指標としての林内植生の葉面積指数でみたとき、葉面積指数が間伐により増加することが明らかになった。
カテゴリ 管理システム 傾斜地 湿害

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