課題名 | 森林資源量及び生産力の全国評価 |
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課題番号 | 2001001096 |
研究機関名 |
独立行政法人森林総合研究所 |
研究分担 |
森林総合研究所 林業経営・政策研究領域 林業システム研究室 森林総合研究所 九州支所 森林資源管理グループ 森林総合研究所 北海道支所 チーム長 森林総合研究所 北海道支所 森林育成研究グループ 森林総合研究所 森林管理研究領域 資源解析研究室 森林総合研究所 関西支所 森林生態研究グループ 森林総合研究所 植物生態研究領域 物質生産研究室 |
研究期間 | 新規2001~2004 |
年度 | 2001 |
摘要 | 1.当年度の研究目的 森林の炭素収支を多面的なアプローチから推定するために、1)林業センサスをベースにした炭素貯留量の全国推計、2)環境要因説明変数にした林分成長重回帰モデル、3)幹材積成長曲線による樹種別・地域別推計、4)個体ベースの森林動態モデル、5)炭素循環プロセスの定量化、6)炭素循環モデルの開発を目的とした。 2.当年度の試験研究方法と成果 1)森林バイオマス推定手法の開発による森林賦存量の全国評価: 林業センサスをベースに都道府県・樹種・市町村・齢級区分ごとに森林の炭素貯留量を算出した結果、1990年0.98Gt、2000年1.18Gtであり、10年間の平均炭素固定量は20Mt/yrと推定された。 2)生育環境特性を考慮した林地生産力の全国評価: 林分の年間成長量と環境要因(成長期光合成有効放射量、成長期降水量、温量指数など)との関係を表す重回帰式を求め炭素量に換算した結果、潜在的年間炭素固定能の平均は1.8/ha/yrであった。 3)林分成長モデルによる樹種別・地域別CO2固定・貯留量の評価:スギ、ヒノキ、カラマツ、アカマツの地域別幹材積成長曲線、林齢と部位別現存量割合との関係ならびに1990年の樹種別面積から樹種別の炭素貯留量・固定量を推定した結果、スギについてはそれぞれ、350MtC、9.6MtC/yr、ヒノキについては140MtC、4.3MtC/yr0MtC/yrと推定された。 4)森林動態モデルによるCO2固定能評価手法の開発:Zeligモデルを応用し、京都のヒノキ・広葉樹混交林の成長をシミュレートした結果、成熟後の年純生産量はおよそ7~9t/haとなり、実際の対象林分の純生産速度9tha-1yr-1に匹敵した結果が得られた。 5)炭素循環プロセスの定量化による森林CO2収支の全国評価 樹冠内の葉量分布を円筒形で表現し、光合成の生化学プロセスモデルを組み込んだ林冠光合成モデルを作成し、一日の気象環境の変化に対応した林冠光合成のシミュレーションをおこなった。 6)炭素循環モデルの開発 アカマツ林冠内の光強度は垂直的な減衰だけではなく樹冠の内側へも減衰すること、針葉の長さ、面積、比葉面積は樹冠の上層だけでなく、樹冠の外側でも大きいことが見いだされ、光合成能力は樹冠の垂直変化だけではなく水平変化も重要であると考えられた。 |
カテゴリ | 成長曲線 炭素循環 |