複合化のための接着技術の高度化

課題名 複合化のための接着技術の高度化
課題番号 2001001145
研究機関名 独立行政法人森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 複合材料研究領域 積層接着研究室
森林総合研究所 複合材料研究領域 チーム長
研究期間 新規2001~2005
年度 2001
摘要 1.当年度の研究目的  シックハウス問題対策や木造住宅の高寿命化といった社会要請に応えるため,1)低ホルムアルデヒド放散型接着剤の硬化機構と化学構造の解明,2)木質材料からのVOC放散挙動の解明,3)使用環境を考慮した接着耐久性予測手法の検討を行い,複合化のための接着技術の高度化を図った。 2.当年度の試験研究方法と成果 1)低ホルムアルデヒド放散型接着剤の硬化機構と化学構造の解明:フェノール樹脂接着剤について,硬化挙動に及ぼすアルカリ濃度の影響を調べた。さらに,メラミン(M)・ユリア(U)共縮合樹脂接着剤について,ホルムアルデヒド(F)放散量と硬化樹脂の化学構造に及ぼすメラミン含量の影響を解明した。その結果, F/(M+U)モル比を小さくするか、または、メラミン含量を大きくすることにより、ホルムアルデヒド放散量を削減できることがわかった。また, F/(M+U)モル比が1.125の場合は、メラミン含量を約50%にすると満足のいく接着性能が得られることがわかった。また,天然系接着剤について,グルコマンナン接着剤と木材液化物接着剤の耐水性改善法を検討した。グルコマンナン接着剤にキトサンを複合することにより,少ない塗布量でも,カゼインや大豆グルー等の従来の天然系接着剤より耐水性を改善できることがわかった。木材液化物接着剤は,樹脂の縮合度を上げるか熱圧条件を改善することにより市販の接着剤と同等以上の性能が得られたることがわかった。 2)木質材料からのVOC放散挙動の解明:木質材料からのVOC(揮発性有機化合物)放散については,スモールチャンバ法によるVOCのサンプリング法を確立した。 3)使用環境を考慮した接着耐久性予測手法の検討:接着耐久性に関しては,使用環境による木材の寸法変化の差異を明らかにするとともに,火災を受けた集成材の強度・接着性能を明らかにした。屋外および屋内において使用環境の異なる木材の寸法変化に明らかな差が認められることがわかった。 以上の成果により,メラミン・ユリア共縮合樹脂接着剤のホルムアルデヒド放散抑制の原理が解明され,接着剤製造の指針として活用できた。
カテゴリ 大豆 ゆり

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