課題名 |
小笠原森林生態系の修復技術の開発 |
課題番号 |
2002003100 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
森林総合研究所 T長(昆虫多様性)
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研究期間 |
継続2001~2004 |
年度 |
2002 |
摘要 |
当年度の試験研究方法:帰化植物アカギの管理モデルの開発および、アカギ立木への薬剤処理の有効性を解明した。オガサワラグワ純粋個体の識別、オガサワラグワとシマホルトノキの育苗と植栽試験および固有鳥類の個体数推定に取り組んだ。陸産貝類の天敵排除装置、トンボの生息環境として人工池の問題点と到達点を解析した。ハナバチ類とセイヨウミツバチの関係解明に着手した。当年度の研究成果:アカギの生活史を推移行列モデルによって構成したところ、年3.5%の割合で個体群サイズが増大していくことが明らかとなった。アカギ苗に対して市販の数種の除草剤に効果が確認された。SCARマーカーを開発し、母島他の個体についてオガサワラグワ純粋・雑種の識別をほぼ完了した。オガサワラグワ、シマホルトノキの林内外での生残率は、より暗い林内での低下が顕著であった。母島のメグロの個体数は約10000-12500個体、アカガシラカラスバトの個体数は母島で8個体、父島で3?4個体と考えられた。グリーンアノールのいる父島の人工池ではトンボ固有種は発生しなかった。陸産貝類の天敵の実験的な排除が塩水トラップによりできた。ミツバチのいない向島では4種の固有ハナバチが多数のヤシに訪花し主要な送粉者と見られた。しかし、母島ではミツバチがほとんどで、固有種に替わって花粉を媒介していると考えられた。結果の意義:除草剤使用によるアカギ駆除技術の体系化の見通しがたった。また,オガサワラグワについては従来、弟島の純粋苗のみが修復のための植栽に用いられていたが、母島産の苗を用いることが可能となった。ネズミやノネコの影響は、個体数の多いメグロでは小さいが、個体数の極端に少ないアカガシラカラスバトでは大きいことが推察され、保護の強化が必要と考えられた。グリーンアノールが昆虫類の減少の主要要因と考えられ,駆除の重要性が確認された。塩水トラップの開発により、天敵により急速に滅びつつある陸産貝類の保護手法に一歩近づいた。
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カテゴリ |
病害虫
育苗
除草剤
ミツバチ
薬剤
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