白神山地等森林生態系の保全地域とその周辺地域における動態予測

課題名 白神山地等森林生態系の保全地域とその周辺地域における動態予測
課題番号 2002003146
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所 東・森林生態研究G長
研究期間 継続2001~2005
年度 2002
摘要 当年度の試験研究方法:山地帯における人為攪乱を受けた天然林を対象に幼樹の定着状況およびサイズ構造を把握するとともに、各固定試験地での林分構造の実態調査を継続し過去の攪乱解析を行った。また、樹冠での再生産について、花芽生産数を把握し花芽から球果への減少要因を検出した。さらに、種子散布機構について、種子散布者となる動物種を検出し散布への寄与を数量的に把握する方法を開発した。当年度の研究成果:黒沢尻試験地のブナ・ミズナラ林では、優占木の伐採後のギャップにすぐ侵入する樹種としてウワミズザクラ、ホオノキ、ミズキ、サワグルミ、ヤマグルミ等を指摘した。天然林とスギ人工林での調査結果をパラメータとして、森林遷移モデルによるシミュレーションの結果、スギ人工林が安定したブナ林に回復するには1000-1500年の期間が必要であることを予測した。また、アオモリトドマツの雌花芽越冬後の死亡率は40%以下で成熟球果に至るまでの生存率は広葉樹より高いこと、死亡率の最大原因は蛾による食害で、その約30%が死亡することを推定した。さらに、テン(イタチの仲間)は、亜高山帯における多くの液果植物の種子配布者として機能し、糞の分析から種子配布範囲は約2Km以上に及ぶことを推定した。結果の意義:白神山地世界遺産地域の周辺部における保残帯(天然林)とスギ造林地との森林動態データに基づいて、森林遷移モデルを開発し、長期間の動態予測を行ったが、本手法の確立は生態学的にみた山地帯における調和的森林管理に重要な情報である。
カテゴリ 管理システム

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる