課題名 |
生理応答を指標とした木質居住環境の快適性評価技術の開発 |
課題番号 |
2002003220 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
森林総合研究所 木質構造居住環境研究室長
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研究期間 |
継続2001~2005 |
年度 |
2002 |
摘要 |
当年度の試験研究方法:木造住宅の床衝撃音について、心理音響解析による音質評価の妥当性検証に取り組む。また、熱伝達特性を明らかにした数種の木材への接触時の生理応答を測定する。被験者実験を実施し、実データからウェーブレット方式による交感神経活動と副交感神経活動の定量的評価について信頼性の検証に取り組む。また、実データから人の集団のグループ分けのための指標の有用性検証に取り組む。当年度の研究成果:木造住宅の床衝撃音について、心理音響評価によって、従来の物理評価より聴感を考慮した音環境改善指標を得ることができた。熱流束式温冷覚しきい値計を用いて被験者の生体各部の温冷覚熱流束しきい値を測定した結果、下半身より上半身の方が温冷覚の感受性が高いことが確認された。スギの香り物質吸入により、主観的に快適であると評価した被験者群(快適群)で有意に脳活動が低下し、不快群で脳活動が変化しなかったことから、スギの香りを快適であると感じた場合には脳活動が鎮静化し、さらに不快であると感じても脳活動が昂進しないことが明らかとなった。性役割パーソナリティおよび田園志向性といったパーソナリティで被験者をグループ分けすると、嗅覚刺激に対する脳活動に差異が認められた。結果の意義:木造住宅の床衝撃音に心理音響解析を適用した結果、木質居住環境の音響性能の新たな評価指標を得ることができた。また、温冷覚熱流束しきい値を指標として、生体各部の温冷覚の違いを定量的に捉えることができた。さらに、被験者の香りの好みやパーソナリティによって、嗅覚刺激に対する脳活動の違いを初めて明らかにすることができた。
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カテゴリ |
加工
評価法
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