課題名 |
きのこ類の形質転換に必要なベクター及び遺伝子導入技術の開発 |
課題番号 |
2002003234 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
森林総合研究所 主任研究官(きのこ研)
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研究期間 |
継続2001~2005 |
年度 |
2002 |
摘要 |
レトロトランスポゾンの形質転換系開発への有効性を解明するために、マツタケから2種類のレトロエレメント(marY1, marY2N)をクローニングし、その構造を解析した。marY1はgypsy-LTRレトロエレメントで、marY2NはL1型レトロエレメントであった。これらレトロエレメントの単離は、担子菌では世界初のものである。marY1の構造は他の生物で活性の報告されているレトロウイルスやレトロトランスポゾンのものと類似している。レトロウイルスやレトロトランスポゾンは一般に「動くDNA」と呼ばれ、組換えDNAに有効な因子であるため、当課題で最終目的としている担子菌の新たな形質転換系開発に利用が可能であると期待される。一方、担子菌での、簡便で効率の良い遺伝子導入法を開発するために、ウラシル栄養要求性を示すヒラタケに対し、パーティクルガン法を用いウラシル合成酵素遺伝子を導入した。その結果、ウラシル要求性が相補された組換え体を得た。この組換え体は安定に菌糸を伸長させた。このことは、パーティクルガン法が遺伝子導入技術として少なくともヒラタケでは有効であることを示し、今後この手法がヒラタケ以外の担子菌にも応用できることが期待される。
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カテゴリ |
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