稲作地帯における農業構造変化と水田農業活性化要因に関する分析

課題名 稲作地帯における農業構造変化と水田農業活性化要因に関する分析
課題番号 2002003364
研究機関名 農林水産政策研究所
研究分担 農林水産政策研究所 評価・食料政策部 食料需給研
農林水産政策研究所 地域振興政策 社会構造研
協力分担関係 農林水産省関連部局
研究期間 完了2001~2002
年度 2002
摘要 農業センサスの構造動態統計および稲作部門別統計を用い,稲作生産構造の動向及び構造変化の要因分析を実施した。その結果,以下の点が明らかとなった。第1に,米価格の低下,転作面積の拡大を背景に,稲作以外の作物を主位部門とする複合経営へ転換した稲作主業農家が増加するとともに,稲作主業農家内部でも単一経営から準単一複合経営への移動が起こっていた。この傾向は特に北海度において顕著であった。第2に,水稲作付面積規模別の農家動向が前期(90-95年間)と今期(95-2000年間)とでは全く異なるものであった。今期の作付動向は前期とは一転して規模縮小傾向を示しており,上層規模への移動割合は5ha以上層でも1割強(前期では5割強増加)に過ぎなかった。第3に,これまで農家数の減少率を上回る水準で推移していた基幹的農業従事者の減少率が,今期一転して半減した。コーホート分析によって年齢別の従事動向を検討した結果,その原因は,「定年帰農者(定年離職農業専従者)」の増加によるものであった。また,これら従事者が,稲作単一経営においては,全基幹的農業従事者の1割近くを占めていた。第4に,今期における田の借地増加面積に対する担い手主体別の寄与状況を分析したところ,大規模農家では10ポイント以上寄与度が低下し,その分農家以外の農業事業体の寄与度が上昇していた。また,稲作作業受託も同様の傾向にあり,農業サービス事業体の寄与度の上昇が,とりわけ西日本で顕著にみられた。第5に,大規模農家層へ農地・農作業の集積が進む一方で,今期,田の不作付け地が急増した。その要因をみるため相関分析を実施したところ,これまで比較的田の耕作放棄が少なかった地域において,増加した転作面積を不作付けにより対応しているためであることが確認された。なお,この分析から不作付地率そのものは,兼業深化や労働力の高齢化によって担い手が不足している地域で高かった。さらに,水稲作付面積規模別農家数の相関表を用いたマルコフモデル(90年代前期と後期の平均移動率を用いたモデル)により趨勢での稲作生産構造展望した。その結果,2020年の水稲作付農家数は155万戸(対2000年:39.0%減),作付面積は129万ha(同23.9%減),5ha以上層の農地集積率は26.6%(2000年:12.7%)と推計された。以上の分析結果から,水田農業活性化を図るための緊急な構造施策課題として,(1)上層農家の規模拡大意欲低下への対応,(2)「定年帰農者」の活用・支援方策,(3)個別農家以外の担い手主体に対する支援方策,(4)田の不作付け地対策を指摘した。
カテゴリ 規模拡大 経営管理 水田

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