森林施業が森林植物の多様性と動態に及ぼす影響の解明

課題名 森林施業が森林植物の多様性と動態に及ぼす影響の解明
課題番号 2003004305
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 森林施業が森林植物の多様性と動態に及ぼす影響の解明当年度の試験研究方法:1) 山梨県および静岡県の国有林地において植生調査を行い、前年度までの成果と合わせて46プロット(隣接する23組の天然林と人工林)で、下層植生の種組成、生活形組成等の比較検討を行った。長野県小川入国有林(赤沢自然休養林)内の高齢なヒノキ天然林(約300年生)と人工林(80年生)に調査枠(天然林30×30m、人工林15×15m)を設定し、毎木調査および立木配置の調査を行った。2)新潟県苗場山ブナ天然更新試験地で、伐採前の林床植生から中庸立地とみなせる145コドラートを抽出し解析した。このコドラートにおいて、伐採前と30年後の組成の類似度を計算し、伐採方法と林床処理によって類似度の平均値に違いについて解析した。また、出現した種について、伐採前と30年後との出現頻度の違いを明らかにした。3)暖帯林域に優占する先駆性樹木8種(すべて被食散布樹種)の結実量を4年間観察し、年変動を明らかにした。京都市醍醐国有林のスギ間伐試験地(間伐率:25%、 50%、70%および無間伐)において、林床に出現した維管束植物の種数を調査した。調査は春と秋の2回おこない、方形区に含まれる種数が、間伐率によって異なるかどうか統計的に検定した。茨城県と京都府の約30年生スギ林(8林分)、茨城県の92~100年生ヒノキ林(9林分)で開空率と植生を調査し、間伐後の時間に伴う植生の発達や種組成変化のシミュレートを試みた。当年度の研究成果:1)人工林造成が生産構造と種多様性に及ぼす影響の解明植生構造をNMS (Nonmethoric Multidimensional Scaling)法によって解析した。ヒノキ人工林をヒノキ天然林および暖帯広葉樹林と比較した場合、人工林では下層における高木種の割合が小さく、草本植物やシダ植物の割合が増加する傾向が見られたが、冷帯広葉樹林と比較するとそのような傾向は見られなかった。ISA (Indicator Species Analysis)法では指標的な種を抽出することが可能であるが、今回の調査データでは特定の種が人工林に多い/少ないという傾向は見いだせなかった。階層構造については、人工林、天然林を問わず、ヒノキ林では中間層の欠けた上下の二層構造が特徴的であった。これに対して、広葉樹林では一般に中間層から林冠まで連続的な階層構造が見られた。高齢ヒノキ人工林と同天然林の毎木調査より、天然林は比較的疎開している部分にリョウブ、ホオノキ等の広葉樹がみられたが、林冠層以外ではアスナロが優占するヒノキ-アスナロの二段林となっていることが解った。人工林の下層は主としてシロモジで1244株/haでありであり階層化に至っていなかった。2)温帯における施業が森林植生の動態と種多様性に及ぼす影響の解明天然林施業の施業方法ごとにみた伐採前と伐採後30年目の組成の類似度は、保残母樹を伐採した場合に低く、また、林床処理については除草剤散布以外の方法を行った場合に低いことが明らかになった。一方、30年後に出現頻度が減少した種は16、増加した種は13、変化がない種は13、検定できない少数種は65であった。減少した種は、常緑の多年生草本が多く(ツルアリドオシ、アケボノシュスラン、ミヤマカンスゲなど)、匍匐するあるいは直立する茎をつけないという特徴を持っていた。3)暖帯における施業が森林植生の動態と種多様性に及ぼす影響の解明皆伐跡地に優占するとされている先駆性樹木種群の繁殖特性をみると、毎年コンスタントに結実する種(アカメガシワ、カラスザンショウ、クサギ)と隔年で結実するもの(イイギリ、クマノミズキ、ミズキ)、それ以外(ヌルデ、ヤマウルシ)に分けられた。毎年結実の樹種群が隔年結実の種群よりも、埋土種子量・初期成長量がより多く、寿命・最大個体サイズではより小さいという特徴で区分できた。伐採跡地の植生動態調査は継続中である。スギ間伐試験地のデータを無作為化検定した結果、無間伐区と25%間伐区の間では下層植生の種数に有意な差があるとは認められなかったが、その他の組み合わせではいずれも有意な差があると認められた。例えば、50%間伐区では、無間伐区および25%間伐区よりも出現種数が多く、70%間伐区ではさらに種数が多かった。無間伐区および25%間伐区ではチャノキやシダ類の出現が比較的多く出現していた。一方、70%間伐区では、イワヒメワラビのような陽性のシダ植物や、ベニバナボロギクやヨウシュヤマゴボウのような外来草本が比較的多く見られたが、間伐前にあったチャノキも残存していた。無間伐区と25%間伐区とでは、出現種数に有意な差はなく、実測値でも25%間伐区のほうがむしろ少なくなっていることから、25%間伐程度の弱度の間伐では、林床の種数を増加させる効果はないものと考えられた。間伐後の時間の経過にともなう下層植生の種組成変化の様式が明らかになり、種組成変化の指標
カテゴリ 病害虫 ごぼう 除草剤 繁殖性改善 べにばな わらび

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