課題名 |
森林施業が鳥・小動物・昆虫の多様性に与える影響の解明 |
課題番号 |
2003004306 |
研究機関名 |
森林総合研究所
|
研究分担 |
森林総合研究所
|
研究期間 |
継続2001~2005 |
年度 |
2003 |
摘要 |
森林施業が鳥・小動物・昆虫の多様性に与える影響の解明当年度の試験研究方法:岩手県滝沢村にて、林齢の異なる14林分でプロットセンサス法及びテリトリーマッピング法により繁殖鳥類群集を調べた。スギ林におけるチョウの調査を、茨城県里美村の9林分においてトランセクト法で行った。茨城県北茨城市で林齢の異なる広葉樹林10林分で前年までに得られたガ類、甲虫類、7林分のダニ類の同定を行った。土壌動物では、前年度に設置した、ウダイカンバとヒノキの落葉を単独または混合したリターバッグを6ヶ月後、12ヶ月後に回収し、土壌動物相を調べた。同じく前年度設置した落葉分解速度測定用に開発したリターケースを回収し、ヒノキ落葉分解速度を調べた。水生昆虫では前年までに採集した水生昆虫を同定した。当年度の研究成果:アカマツ林の鳥類の個体数は林齢20年?35年で一度減少したが、種数と多様度指数はそのような減少はなく、林齢が増すほど増加して、樹齢が90年を超えると広葉樹天然林と似た種類構成になった。スギ林におけるチョウの種数は、スギの林齢が高くなるほど減少した。草原性チョウの種は林冠が閉鎖していない若い植林地で多く、20年生以上のスギ林にはほとんどいなかった。森林性チョウの種も若い造林地で多かった。ガ類の種数は伐採地では少ないが、林齢3年ではさらに減少し、その後林齢とともに増加し50年生くらいから原生林に近い種数となった。前年までに得られたスギ林でのガ類の結果と比べると、伐採後減少する期間が短かかった。甲虫類ではピットフォールトラップで得られたゴミムシ類、マレーズトラップのカミキリムシ類の同定を完了した。ダニ類では、二年分のサンプルについて目までの同定を完了し、うち一年分は種まで同定した。土壌動物ではウダイカンバ落葉単独と、ウダイカンバ・ヒノキ混合のリターの動物相は類似していたが、ヒノキのみのリターは、トビムシ類、ササラダニ類がそれらと異なり、広葉樹が混交する意義が明らかになった。ヒノキの分解速度は予想に反し、大型土壌動物の侵入を拒んだ方が分解速度が高かった。これは分解に関与する菌類に対する菌食性土壌動物の影響が意外に大きいことを示唆している。水生昆虫ではほぼ七割のサンプルの同定を完了した。
|
カテゴリ |
繁殖性改善
|