南西諸島における森林生物群集の実態と脆弱性要因の解明

課題名 南西諸島における森林生物群集の実態と脆弱性要因の解明
課題番号 2003004309
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 南西諸島における森林生物群集の実態と脆弱性要因の解明当年度の試験研究方法:奄美大島のアマミノクロウサギの分布域全域で糞粒の出現域と頻度の調査を行い、その結果を地域別にまとめ、1993~94年の調査結果と比較した。アカヒゲの繁殖生態調査区に巣箱を設置し、そこで営巣する個体のほぼすべてを捕獲・マーキングし、各個体について一腹卵数・初卵日・抱卵期間・育雛期間・巣立ち率などの繁殖特性を記録した。また、イタチの捕食低減型巣箱と通常の巣箱とを比較することにより、イタチによる捕食がアカヒゲの繁殖成功にどの程度影響するかを評価した。カエルの生息状況をモニターするため、声を長期に録音するための方法を検討した。防水包装した録音機(1週間に1回、8分あるいは5分録音)を沖縄県北部の5渓流、9カ所で、2002年12月9日に設置し(それぞれ1機、合計9機)、2004年1月9日に回収した。回収後、装置の防水性と有効性を検討した。沖縄本島のリュウキュウマツ林に重大な影響を及ぼしているマツ材線虫病の発生と伝播の実態を明らかにするため、固定調査区(4地点)に生育する全リュウキュウマツ個体に関する材線虫病発症と病徴進展の調査、媒介昆虫マツノマダラカミキリの誘引捕獲調査ならびに2調査区に設置された林内網室における羽化脱出消長調査を行った。当年度の研究成果:1993~94年の調査結果に比べて、クロウサギの分布域の北部と北西部においては、その糞粒の出現域が縮小し、頻度も大幅に減少した。また、出現域に大きな変化は見られなかったが、頻度が大幅に減少していた地域があった。これらの地域は、マングースの捕獲数が多い地域またはリゾート建設が行われた地域に相当する。一方、分布域の中部から南部では、全体的に増加傾向に転じたが、これらの地域ではマングース捕獲数が少なかった。ただし、大規模な林道開発が行われた一部区域では糞粒頻度が大幅に減少した。巣箱設置区においてアカヒゲの繁殖期、一腹卵数、一腹雛数、営巣回数、成鳥の年生存率、繁殖密度を明らかにした。また、イタチの捕食による影響下での年繁殖成功は影響がなかった場合の1/3程度であることが明らかになった。2重に包装された録音装置の内側、外側ともシリカゲルの重量の違いがないことから、外側の包装のみで湿度の高い沖縄でも水の侵入は回避できることが明らかになった。この調査期間中にイシカワガエル発声のピークが2回あり、いずれの場所でも、この傾向を明瞭につかむことができた。以上のことから1週間毎に5分間の録音時間で本種の生息状況を省力的にモニタリングすることができることがわかった。固定調査区のリュウキュウマツ枯死木のほぼ全てにおいてマツノザイセンチュウを検出した。羽化脱出消長調査から、沖縄におけるマツノマダラカミキリの発生は年一化で、6月上旬にピークをもつ一山型であることが判明した。誘引捕獲調査から、沖縄におけるマツノマダラカミキリの活動期間は4月から11月と本土に比べて長いことが示された。
カテゴリ 繁殖性改善 モニタリング

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