被害拡大危惧病虫害の実態解明と被害対策技術の開発

課題名 被害拡大危惧病虫害の実態解明と被害対策技術の開発
課題番号 2003004334
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 被害拡大危惧病虫害の実態解明と被害対策技術の開発当年度の試験研究方法:1)全国規模で収集された病虫害発生情報データベースおよび本支所病虫害担当者が収集した病虫害発生情報を基に、北海道から九州までの全国6地域の地域毎に、森林病虫害発生情報の解析を行った。2)マンサク類の葉枯れ被害について、全国的分布と発生生態の調査、人工接種試験による病原菌探索を行った。3)カシ・ナラ類枝枯細菌病について、病原菌の越冬形態解明のための人工接種試験、培地上での抗細菌性薬剤検定・シラカシの鉢苗と圃場植栽苗への薬剤散布による防除試験を行った。当年度の研究成果:1)地域毎の森林病害虫発生情報の解析による病虫害発生動向の予測では14種の害虫と7種の病害について発生状況の把握と今後の対策,動向の予測について解析を行った。特に,東北で新たに発生したシナノキハムグリハバチの被害では今後の注意が必要であることがわかった。また,長野県でカラマツヒラタハバチが3000ha以上の大発生が注目され監視体制を取った。宮崎ではスギの原因不明の衰弱枯死被害が発生しており,緊急の対策が必要である。九州ではヤシオオオサゾウムシによるカナリーヤシ(フェニックス)の被害が北上を続け、新たに長崎県で確認された。2)マンサク類の葉枯れ被害の発生は北海道と九州地域では認められず、全国的には本州と四国地域に分布していることが明らかになった。群馬県赤城山と武尊山周辺における発生生態では、標高約1200m以上で未発生地が認められた以外、ほとんどのマンサクとマルバマンサクに発生していることが明らかになった。天然木と植栽木,樹齢を問わず発生し、被害程度に個体差がある。アテツマンサク・外国産のシナマンサクとアメリカマンサク・マンサクとシナマンサクの交配品種にも被害が発生している。葉芽形成期など開葉前に病原菌感染が起こることが推測された。被害葉にはPhyllosticta属菌の子実体形成が認められ病原菌として疑われるが,この菌の人工接種によっても病徴再現はできなかった。それ以外の数種の組織分離菌株の人工接種でも同様の結果であった。3)カシ・ナラ類枝枯細菌病の発生生態および防除試験では人工接種により再現された秋期発病の病斑の観察により、秋期病斑で越冬した病原細菌が春期の第一次伝染源となっていることが明らかになった。秋期病斑枝の除去とそれへの集中的な薬剤散布が防除に有効であることを示した。抗細菌性薬剤17種から予備散布試験で選抜した5種について人工接種により発病させたシラカシ圃場植栽苗への散布試験を行った結果、銅水和剤のコサイドボルドーの防除効果が最も高いことが明らかになった。人工接種により均一に発病させることが可能となり、有効薬剤の候補が見つかり、さらにカシ・ナラ類樹種に対する防除試験を進めることで二次感染阻止による防除法開発が期待できる。
カテゴリ 病害虫 ICT 害虫 データベース 品種 防除 薬剤

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