| 課題名 |
サル・クマ等の行動・生態と被害実態の解明 |
| 課題番号 |
2003004343 |
| 研究機関名 |
森林総合研究所
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| 研究分担 |
森林総合研究所
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| 研究期間 |
継続2001~2005 |
| 年度 |
2003 |
| 摘要 |
サル・クマ等の行動・生態と被害実態の解明当年度の試験研究方法:滋賀県において1978年から2003年までの間にサルの群れの分布拡大があった地域の植生と1978年の時点で距離的に分布拡大が可能であった地域の植生をGIS上で調整した現存植生図から読み取り、対比した。京都府の丹波個体群では丹後個体群よりもオスの若齢個体が捕獲される傾向があったが、そのような傾向が、被害の種類やクマの行動と関連があると推測される駆除月、駆除された場所の景観、駆除された場所の地理的位置の偏りによるものかどうか検討した。1989年以降、下北地方、青森南部、秋田、岩手奥羽山系、岩手北上山系、山形、宮城の7つの地域についてブナの豊凶とクマの駆除数の変動の関連性を分析した。北上高地の50地点において,3~10本のミズナラを対象に目視による豊凶判断結果と実測した着果指標(水井1991に準拠)の整合性を調べた。西日本の4地域個体群(西中国・東中国・丹後・丹波)と新潟個体群の遺伝構成を9遺伝子座のマイクロサテライトDNAマーカーを用いて解析した。遺伝的変異の実態は、対立遺伝子数の平均値(NA)およびヘテロ接合度の期待値(遺伝的多様度)の平均値(HE)を用いて評価した。当年度の研究成果:イブレフの選択係数を指標として、サルの分布拡大傾向の強い植生を評価してみると、ヤブツバキクラス二次林(0.72)が最も高い値を示し、次いで竹林(0.52)、林業利用地(0.41)の順となった。逆に、忌避性が最も高かったのは湿地植生(ヨシクラス、ツルヨシ群集、ヌマガヤオーダーなど)(-0.71)、ブナクラス域二次林(-0.66)、ブナクラス域自然林(-0.31)、農業利用地(-0.29)の順であった。ブナクラス域と名づけられた高標高域よりもヤブツバキクラス域の低標高域への分布拡大の傾向が強いこと、低標高域の植生でも自然度の高い森林よりも中程度に人為的かく乱が加わった森林への分布拡大の傾向が認められた。サルの分布拡大、被害拡大と里山の管理・利用のあり方との関わりが示唆される。クマの丹波個体群の駆除個体の年齢の偏りは、捕獲場所、捕獲月、捕獲地域に原因するものではないことが明らかになった。今のところ、他の原因は想定できず、丹波・丹後個体群駆除個体の性・年齢構成の違いは両地域の野生個体群の年齢分布の違いを反映していることが推測される。健全な個体群からランダムに駆除が行われた場合、その年齢構成は若齢層が多く、年齢が高くになるにつれて徐々に減少していくと考えられるが、丹波個体群はそのパターンに近く、丹後個体群はそうではないいびつな齢構成をしている。丹後個体群は、生息域が狭く、生息数も少ないと考えられていることもあり、個体群動向はより慎重に監視する必要がある。岩手北上山系及び宮城を除く5地域において,有害駆除数の変動はブナ凶作指数(各地域における無結実、凶作が報告された地点の割合)の変動に応答しており,有害駆除数増減の38~73% は凶作指数の前年からの変化によって説明可能であることが明らかとなった。岩手県は,クマ出没予測に向けて,2004年度より奥羽山系地域のブナ豊凶調査をおこなうこととなった。2003年,北上山系におけるミズナラの豊凶レベルは並作以下であった。枝単位長あたりの着果数から算出した豊凶レベル(凶作、不作、並作、豊作)と比較すると、目視による判断では凶作と不作の境界は明確ではなかったが、不作と並作レベルは区別することができる可能性が示された。対立遺伝子数の平均値(NA)およびヘテロ接合度の期待値(遺伝的多様度)の平均値(HE)は、それぞれ新潟個体群で最も高く(NA = 6.4, HE = 0.686)、次いで丹波個体群で高かった(NA = 4.6, HE = 0.601)。西中国・東中国・丹後個体群は、対立遺伝子数・ヘテロ接合度ともにそれらの集団よりも低い値を示した(NA ≦ 4.1, HE ≦ 0.525)。個体群間の遺伝的距離(FST )は、全ての個体群の組み合わせで0より有意に大きかった。西中国・東中国・丹後個体群のそれぞれの組み合わせは全てFST > 0.156であった。一方、丹波-新潟個体群間のFSTは、地理的に離れているにもかかわらず、全ての組み合わせのうちで最も低い値を示した(FST = 0.097)。分布範囲が広く、健全な個体群であると想定される新潟個体群のクマと比べると関西地域の個体群のいずれにも孤立化の影響が出ていると考えられるが、滋賀県、福井県との分布連続が推測される丹波個体群ではその影響が最も弱く、東中国個体群では孤立化の影響が最も強く、他の個体群よりも遺伝的劣化が急速に進んでいることが示唆された。
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| カテゴリ |
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