南洋材の樹種識別及び産地特定の技術開発

課題名 南洋材の樹種識別及び産地特定の技術開発
課題番号 2003004367
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 新規2003~0
年度 2003
摘要 南洋材の樹種識別及び産地特定の技術開発当年度の試験研究方法:1)サバ州森林研究センターで所蔵されている215個体のRubroshorea節の木材標本のうち、永久プレパラートになっている70個体について顕微鏡観察を行った。2)色彩色差計を用いて、森林総研所蔵のShorea属307個体、Hopea属60個体の心材色を測定した。代表的抽出成分の構造解析を試みた。3)森林総研所蔵の木材標品を湿式灰化後、ICP-MS分析を行い、無機元素分析システムを立ち上げた。4)木材を粉末にし、DNeasy植物DNA抽出キット (キアゲン)を用いてDNAの抽出を行った。木材粉末から界面活性剤とフェノールを用いた方法によってRNAの抽出を行った。5)中国産のT. grandis、日本産のT. nucifera、および北米産のT. californicaの試料について、葉緑体DNA上の塩基配列を比較した。6)マレーシア森林研究所の植物標本庫に保存してある標本からDNA抽出を試みた。樹木園のフタバガキ科植物から系統分類用のDNAサンプルの採取を行った。サバ森林研究センターを訪問し、研究材料の分与について話し合いを行った。国内の研究グループと連絡をとり、DNAサンプルの分譲について依頼した。森林総研で保存してあるフタバガキ科DNAサンプルについては葉緑体DNAの遺伝子間領域の塩基配列の解読を開始した。当年度の研究成果:1)木材組織に変異が見られたのは、結晶の分布、存在形態であった。軸方向柔細胞に、1から数個並ぶ傾向が見られ、個体によっては十数個並ぶこともあった。また、放射柔細胞に結晶が存在する場合もあった。これらの観察から、結晶の有無、分布頻度、分布パターン、軸方向柔細胞において並ぶ結晶の最大数、放射組織における結晶の有無を観察項目とした。標本70個体では、軸方向柔細胞または放射柔細胞に結晶を有する個体は48、軸方向柔細胞に結晶を有する個体は45、軸方向柔細胞と放射柔細胞両方に結晶を有する個体は、31、放射柔細胞にのみ有する個体は3であった。2)関税率の高いレッドメランティーと他のグループの材色分布を比較した結果、完全に分離されるものはなかった。組織上の識別が困難なアランはレッドメランティーに比べ、黄色度、赤色度ともに高く材色範囲は狭いので、材色測定が樹種識別に有効であると考えられる。ホワイトメランティーからスチルベンオリゴマーを単離した。3)無機元素分析システムを確立した。湿地帯で生育する樹木の元素プロファイルに違いが認められた。アルカリ金属については辺材から心材で濃度が下がる傾向が認められたが、アルカリ土類金属ではそのような傾向は認められなかった。 4)スギ材及びラワン材から材片1 g当たりそれぞれ280 ng、700 ngのDNAが単離でき、用いた抽出方法が木材からのDNAの単離に有効であることが分かった。伐採後41日経過したスギ辺材からRNAが得られ、電気泳動解析から遺伝子の単離に用いうると判断できた。5)カヤ葉緑体DNA上の、8カ所合わせて約4000ベースの塩基を調べ、3種の比較を行った。T.grandisとT.nuciferaはRbcL、rpl20ーrps18スペーサー、trnRーtrnNスペーサー領域において、差が検出された。T.californicaはさらに多くの領域に差が見られた。6)本年度収集できたフタバガキ科DNAは105種でそのうちShorea属は63種235個体であった。東南アジアに分布するShore属は全体で160種であることから、今後も積極的に材料の収集を行う必要がある。マレーシア森林研究所の標本庫から分譲して頂いた年代の異なる二つの標本からはDNA抽出ができなかった。そのため樹木園または天然林からの材料採取を行った方がよいことが明らかとなった。今年度、収集したDNAサンプルについては葉緑体DNAの4領域の塩基配列解読を始め、その大半の解析が終了している。
カテゴリ 管理技術 ごま

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