北方林の長伐期化に伴う森林管理システム

課題名 北方林の長伐期化に伴う森林管理システム
課題番号 2003004394
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 北方林の長伐期化に伴う森林管理システムの構築当年度の試験研究方法:1)実態調査に基づき低木層生産量推定モデルや土壌変化モデルのパラメーター解析を行う。施業が林内環境に与える影響の調査を行う。2)凍裂や腐朽の調査分析を継続し、立地条件との関係解析を行う。3)カラマツ人工林収穫予想表を作成する。人工林造成コスト及び販売収入分析を行う。当年度の研究成果:トドマツ人工林に関して施業と光環境条件、低木層現存量、林齢と土壌の理化学性との関係を明らかにした。凍裂の出現率の分布図を作成した。カラマツ高齢林分の腐朽被害発生実態を明らかにした。収穫予想表の作成及び風連町森林組合を対象に造成コストと素材生産費を調査した。1)調査林分の収量比数は低木層直上の光環境条件と負の相関関係を示した。また林内光環境条件及び施業からの経過時間を基本パラメータとして、低木層現存量の推移を表現できる可能性を示した。間伐施業は林内相対照度を上昇させ、現存量だけでなく低木層構成種数の増大をもたらした。土壌pHは表層で林齢とともに減少する傾向が見られた。また、土壌の酸性化プロセスを推定した。また、下層植生との関係では林齢が若くても下層植生が多いと土壌のAo層が多く、pHが低く交換性塩基も低いものがみられ、間伐等による林内の光環境の改変で下層植生が増加した場合に土壌も影響を受けることを予測した。2)全林分の凍裂出現率の分布を見ると、道南、日高地方で低い値が多く、道東地方で高い値が多い。50年以上の林分の分布図でも同様の傾向が見られる。調査した各々のカラマツ林では本数被害率、腐朽面積比率ともに調査林分によってかなり違いが見られた。今回の伐根調査結果からも本数被害率と総腐朽面積比率に正の相関関係があることが明らかになった。同一林分でも微地形などの要因で被害率が大きく影響される可能性を示した。3)作成した地位指数曲線の中心線と過去の地位指数曲線の中心線を比較したところ、全体的に高い値に修正された。今回作成した収穫予想表における幹材積の推移から、これまでの収穫予想表が高齢級において横ばい傾向を示していたのに対し、新しい収穫予想表は漸増傾向を示した。民有林経営調査の結果、カラマツ林造成のヘクタール当たり収支では、造林初年度から林齢30年までに投下された総費用は159万円、収入は143万円であり、収支は16万円の赤字となる。収入のうち補助金が占める比率は90%と高い。初年度投資額を低くすることが育成過程の赤字額を減少させるポイントになる。一方、カラマツ主伐事例では、40年生の主伐収入は35万円/ha程度であり、民有林におけるカラマツ人工林経営は厳しい状況にあることを明らかにした。
カテゴリ 管理システム 経営管理 コスト

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