スギ等造林木の成長と樹幹内構造変異及び用材の品質に影響を及ぼす要因の解明

課題名 スギ等造林木の成長と樹幹内構造変異及び用材の品質に影響を及ぼす要因の解明
課題番号 2003004425
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 スギ等造林木の成長と樹幹内構造変異及び用材の品質に影響を及ぼす要因の解明当年度の試験研究方法:1)リュウノヒゲの丸太の直径とヤング係数との間における負の相関関係の原因について年輪構造を解析して検討した。アヤスギの収縮率を樹高方向5箇所、半径方向3箇所について測定を行い、収縮率の樹幹内変動を解析した。 2)千代田試験地に成育するスギ及びヒノキを対象としてデンドロメータによる期間成長量の測定を成長が旺盛な4~7月は週1回、8~10月は2週間に1回行った。成長期間には月1回4方位にピンマーキングを行った。3)主要造林木の収穫試験地のべ13試験地の18試験区の各4個体から地上高1mごとに採取した試料を用いて、地上部バイオマス(幹、枝、葉、枯れ枝)重量の測定を行った。また、胸高部の試料については浮力法により容積密度を測定した。密度及び年輪幅の樹幹内変動を解析することを目的に年輪解析を行った。当年度の研究成果:1)リュウノヒゲ30個体では直径と丸太ヤング係数との間に負の関係が認められた。この負の相関は、丸太地上高別にみても丸太全体で見ても有意であった。この負の関係を検討するために丸太ヤング係数と年輪構造の関係を5年ごとに区切って比較したところ、平均密度(11~25年輪)、晩材率(16~25年輪)との間に有意な相関が認められた。相関が有意であった部位は、ヤング係数の高いグループと低いグループ間で密度差が大きい部位にほぼ一致した。したがって、直径が大きい個体で丸太ヤング係数が低い原因は、成熟材の形成初期段階と考えられる髄から11年輪目から25年輪目までの部位で密度がそれらの個体ではやや大きく低下するためと考えられる。この部位においては年輪幅が広い個体の晩材幅と年輪幅が狭い個体の晩材幅に差がなく晩材率が低いことが特徴で、それが直径の大きな個体で密度が低くなる主たる要因であると考えられた。アヤスギの収縮率を半径方向で比較すると、L方向収縮率は内側で大きく、R及びT方向収縮率は内側で小さかった。高さ方向で比較すると、L方向収縮率は樹幹下部で大きい傾向を示したが、T及びR方向収縮率はほぼ同じかあるいは上部でやや大きい傾向を示した。2)スギの期間成長量は4月下旬から5月にかけて最大となり、以後減少して7月以降は非常に小さくなり、9月で肥大生長がほぼ停止するというパターンを示した。ヒノキもほぼ同様の期間成長パターンを示したが、8月及び9月の成長量がスギに比べて大きく、肥大成長の停止時期が遅かった。3)樹幹内の密度分布を樹高方向でみた場合、スギ及びヒノキでは地際部で密度が最も低く、樹幹上部で高い傾向を示したが、カラマツでは地際部で最も密度が高いという傾向を示した。胸高直径、樹高、地上部重量などを測定した試料木について、胸高部で容積密度の測定を行い、樹種ごとに平均値及び95%信頼区間を算出した。スギ:0.322±0.009g/cm3、ヒノキ0.399±0.010g/cm3,カラマツ:0.405±0.019g/cm3であった。
カテゴリ 加工

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