木材市場の動向分析及び国産材需要拡大条件の解明

課題名 木材市場の動向分析及び国産材需要拡大条件の解明
課題番号 2003004451
研究機関名 森林総合研究所
研究分担 森林総合研究所
研究期間 継続2001~2005
年度 2003
摘要 木材市場の動向分析及び国産材需要拡大条件の解明当年度の試験研究方法:1)合板工業および集成材工業における国産材利用の実態調査を行う。また首都圏市場の地域ビルダーを対象に、国産材・高次加工製品の消費構造の聞き取り調査を行う。2)国産材供給システムに残廃材利用の静脈装置を組み込んだ、環境負荷を考慮した地域資源循環システムの検討を行う。3)製材と合板に関する需給モデル構築の第一段階として、国産針葉樹丸太の需給構造を計量経済学モデルを適用し検討する。当年度の研究成果:要旨:国産材の高次加工製品化への動きを、合板・集成材工場を対象に調査した。東北・北海道では、製材業の利用度の低い素材を利用した商業生産が進みつつある。これらの消費主体には、国産材利用をアピールする地域ビルダーやハウスメーカーが見られる。1)合板分野における国産材利用の実態調査を行った。北海道(道産カラマツ利用)、秋田(スギ利用)では、原木消費量月間数千m3の規模に拡大し、国産材合板の商業生産が行われている。合板用原木は、地域の製材業があまり利用しない径級の素材(北海道)や、曲がりなど軽度の欠点を持つB材(秋田)などの低価格素材である。秋田の事例では、合板用スギ素材の安定供給に向けて県・関係業界による協議会を設置し、情報・意見交換の場を設けている。集成材への国産材利用の実態調査を岩手県で行った。岩手県ではスギ・カラマツ小中断面構造用集成材の生産が本格化している。これらの工場では原板の安定確保とコスト削減を目指して原板専用製材工場を併設し、また素材生産業との直接取引による適材集荷にも努めていることが分かった。国産材・高次加工製品の消費構造に関して、首都圏市場での地域ビルダー(F社)の実態調査を行った。'90年代に入り住宅メーカーでは、住宅品質の確保や施工省力化のため、集成材や構造用合板を多用してきたが、その多くが外材(欧州材)であった。しかし近年、国産材使用をアピールする住宅メーカーでは、国産材の集成材・合板の使用に向かっており、その供給体制の強化が需要サイドからも求められていることが分かった。2)わが国の木材需給システムを環境負荷低減型のシステムに組み替えるため、残廃材利用(静脈系)を組み込んだ地域森林-木材資源循環システムについて検討した。ウッドマイレージの検討に着手し、輸送に関わる環境負荷低減の観点から、国産材活用の意義を探った。3)スギ、ヒノキおよび針葉樹全体の丸太市場を取り上げ、各々の需要関数と供給関数を二段階最小二乗法により推定した。その結果、丸太供給、特にスギ丸太供給は価格に対してより弾力的であること、森林資源の充実とともに供給増へと繋がる可能性があることが判明した。需要では、スギ丸太の価格弾力性が高く、スギとヒノキでは代替財の米ツガ丸太価格に対する弾力性が当該材価格弾性値より大きいことが分かった。
カテゴリ 加工 環境負荷低減 コスト 需要拡大 省力化 輸出 輸送

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